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2018-06

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個別・協同・プロジェクト化の融合実践としての『わたしたちの「撮る教室」』のことを、もう一度書いてみようと思う - 2018.03.25 Sun

 2015年の中学校3年生のクラスの生徒、そして写真家小寺卓矢さんと私、さらに編集の加藤愛さん、4者のコラボで創った写真絵本が、『わたしたちの「撮る教室」』(学事出版)だった。「撮る教室」はもちろん「飛ぶ教室」のもじりである。

わたしたちの「撮る教室」
小寺 卓矢 石川 晋 石川学級41名の生徒たち
学事出版
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 この絵本について、もう一度書いてみようと思う。
 まずこの絵本は、小寺卓矢さんが一年間にわたって、ぼくらのクラスに入った、その記録でもある。小寺さんは、生徒が存在証明としてのクラス写真集を創る、その助け手という名目でクラスに入ったが、基本的には、「撮る、撮る、撮ってみる」という日常そのものの促しが一番の役割であったといっていい。

 私の目論見は、子ども達が、個別・協同・プロジェクト化された、(結果的・必然的に)教科横断的な取り組みをプロが撮影して写真絵本として残す。そのことで、ぼくらのクラスでぼく(ら)が考えていることが、「わかる人にはきっとわかるはずだ」というかなり暴力的な装置として機能させたいということであった。個人的には、岩瀬直樹さんの『きょうしつのつくり方』(旬報社)への私からの返歌の意味もあった。

 この絵本の構造を説明すると、
①写真絵本の写真のほぼ全部(一部は生徒のものと私のものもある)は、小寺卓矢さんの写真である。
②テキストは、小寺さんが全て書下ろし、石川と加藤との三者で精査したものである。
③生徒が創った写真集は一緒につけることは単価的に難しく、巻末のURLからデータをダウンロードできる形にした。

ということである。

 表表紙の見返しには、始業時間を指した時計とまだ何も始まっていない「教室」がある。
 裏表紙の見返しには、就業時間を指した時計と生徒が一年間かけて撮った写真の一部が壁面を埋め尽くした形の「教室」がある(ちなみに、壁面上部に掲げられた校訓は、生徒の写真で覆い隠されてしまっている形になっている)。

 実はぼくらのクラスには、通年で取り組んでいることが、この写真集づくりだけでなく、他にもいくつかあった。例えばライティングワークショップと作品出版、パーソナルポートフォリオづくりなどなどである。
 実際、写真集づくりへの取り組みは、千差万別だ。年間一千枚に及ぶ写真を撮りためた生徒もいる。一方で30枚しか取らなかった生徒もいる。生徒にはその表現媒体への適性、興味があり、対応はまさに「個別」である。それは年間を通じた大単元構成になってるからこそ、許されるわけである。教科横断的に行うことで、支援学級在籍の生徒も、自在に学習参加ができる。
 一方で大切な事実は、すべての子が適性を示したりしないということだ。ただし、生徒の何度もの話し合いの中で、全員が作品を持ち寄ることで、クラスを表現することにしたいということだけは、コンセンサスを得ているわけであり、結果として全員のページが当然ある。

 そもそもこの実践について、読者と一緒に考えたいことの一つは、この実践がどのようなプロセスを経て実践可能であったかということでもあった。そこに思いを馳せてほしいというのは、やはり少し難しいことだっただろうか。
 小寺さんは、実は8年間の上士幌中学校在籍の中で、育児休業の一年を除き全て入ってプロジェクトを組んでいる。
 初年度に入っていただく名目は、校舎建て替えの時期に合わせて、生徒が校舎建て替えと引っ越しの日々を記録写真として残す、そのためのアドバイザー、である。これは、地域の学校である上士幌中学校にとってはまさに渡りに船であった。最後は、町の公民館を借りて、写真展を開催する形で、プロジェクトを完結させる。こういう入り方にすることで、以降、小寺さんが学校に入ってくるハードルはぐうっと低くなったわけである。

 続くぼくのクラスでは、この作品の制作背景と同様、一度存在証明としての写真集づくりを実施している。
 そして、最後の上記の学年でのプロジェクトへとつながっていく。
 デジタルカメラは、このプロセスの中で、何年かの時間をかけて、生徒が全員取り組めるだけの台数を学校で整備するという流れを取った。
 つまり、「撮る教室」プロジェクトまでに、地域。教職員のマインド的にも、実際的なツールの確保についても、校内のコンセンサスを得られるような手順を丁寧に踏んでいる。実践のこのあたりにまなざしを向けられるかどうかで、この実践の示している方向が見えるかどうかが決まるのだと思う。

 もう一つは、写真・テキスト情報など、個人の肖像権や著作権にあたるものの開示についての許諾を取ったということだ。
 今クラスに関わる個人情報の大半は、テキストなら仮名、写真ならぼかしが入る。だが、クラス実践の「生々しさ」は、すっかり薄まり、実践記録としての強さが薄まってしまった。もっといえば、多くの本は、結局、どこにでもある記録という体裁でしか成立しなくなった。教育書のマニュアル化・ハウツー化の背景にはそうした問題も色濃くある。そこを、粘り強く関係する様々な形の覚悟で潜り抜けた本がこの本だった。開示することの意義や価値を保護者や子ども達が共有してくれたことに感謝しかない。そういう意味でも、今、本当に数少なくなった、「本当の」本なのである。

 もう一度この絵本を基に、学ぶ場を創ってみようと思う。
 一緒に創りたいという方、どうぞお声がけください。

 



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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
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