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2018-10

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Kちゃんへ - 2018.02.16 Fri

 きみとはじめて会ったのは、もう30年以上前か。ぼくらはまだ18歳だった。
 ぼくはきみと学内で文芸同好会を興し、文芸誌を刊行したわけだが、最初からきみの圧倒的な才能に度肝を抜かれてしまった。
 今に至るまで、きみと肩を並べうる天才には、後はたった一人だけしか会ったことがない。その一人は今や人気作家の一人だから、そう考えれば、質的にまるで違う才能だけれど、きみはやはり度肝を抜く天才だった。

 ぼくは詩を書く。評論も書く。でも最初からきみの圧倒的な才能には、とても及びもつかなかった。悔しさも湧いてこなかった。畏怖という言葉に近い感情しか持てなかった。そしてきみが自分の作品の質をまるで「選べない」ことにも驚いた。ぼくはきみの作品群の中のすぐれたものと、どうでもいいものとを、確実により分けることができた、と思う。天才の中のある一部は、自分の仕事の質を自分では理解できないのだということを知ったのは、きみ(ときみの作品と)に出会ったのが初めてだった。

 大学卒業後、きみが最初の学校を辞めて(そもそもきみは学校の先生とか、全然似合っていなかったよね)、その後会ったのは、たった一度江別でたまたま乗ったバスの中だった。
 きみがちゃんと生きていて、ぼくはとてもうれしかった。
 きみが作品を書いているかなんて、その時確かめもしなかったが、きみは今だって、ちゃんと書き続けているはずだもの。

 ぼくはきみに会って、ぼくの才能のせいぜいの程度を知った。
 そして、ぼくが誰かの中にあるものを見つけたり、賦活したりすることに長けていることも知った。

 ぼくも少し、また書き始めようと思う。だれかを勇気づけたり、だれかが気が付かない内側を掘り起こしたり耕したりするために、だよ。
 そして、Kちゃん、いつか、きみが30年書き溜めてきた行き場のない作品たちを見せてほしいと思う。
 ぼくはそれを丁寧により分けて、たくさんの人の手に渡っていけるように、きっと役に立てると思う。

 ぼくも少し、また書き始めようと思う。
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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
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