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教師教育メールマガジン50号岩渕和信さんです! - 2017.12.15 Fri

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メールマガジン「教師教育を考える会」50号
         2017年12月15日発行
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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 受けとる教師教育
           神奈川県山北町立山北中学校教頭 
                       岩渕 和信
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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 50号は、岩渕和信さん(神奈川県山北町立山北中学校教頭)
です! 神奈川県の指導主事時代から、精力的な発言と行動力
を発揮され、今は教頭として現場に立ち、すてきな学校研修づ
くりをけん引されている方です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.与える指導から受けとる指導への転換
 私が教諭時代に抱いていた指導主事のイメージと言えば、あ
らかじめ整えられた研究授業のときにだけ来校し、授業と協議
の参観後に、10分ぐらい指導助言して帰る人という印象でし
た。その日の授業や協議にはさほど言及せず、持参した原稿通
りに助言し、質問を受ける雰囲気もなく、文部省(当時)や教
育委員会の文書を仰々しく読み上げる偉い人。そんな印象でし
た。
 しかし、のちに、突然、私は町の指導主事になるよう辞令を
受け、「なんだ、指導主事って、本来、現場に近しい立場なん
だ」ということが分かりました。(神奈川には指導主事試験は
ありません。3月に突然言われます)
 しかしながら、それまで中学校の数学しか指導してこなかっ
た自分が、4月から他の教科や小学校、さらには幼稚園などの
指導をしなくてはいけません。町には指導主事が私ひとりしか
いないのです。これは、勉強しないといけないと思いました。
そこで聞いてみると、近隣の指導主事も実情は同じでした。学
校では知られていませんでしたが、教育事務所主催の指導主事
の定例勉強会などもあって、みんな必死で勉強しているのでし
た。
 ところが、指導主事は、様々な機関から依頼される調査や、
施策の企画運営や、議会の答弁書作りなど、事務仕事の量が半
端ではない。小さな町の指導主事は全ジャンル一人でやらなく
てはいけない。その上、昼間は電話相談や苦情対応などもあり、
授業の指導案をもらってもじっくり読んでいる時間がありませ
ん。結局、数学以外の研究授業に行くときは、文部科学省や県
教委や教育誌などから目についた情報を抜き出して、あらかじ
め話すことを用意してしまうありさまでした。
 これではいけない。そう思いました。

いけないと思った事、その1「知らな過ぎる自分」。
 知識については、学生時代に身につけた読書の習慣が役に立
ちましたが、あまりにも経験がなさすぎる。特に小学校や幼稚
園、それから特別支援。これはもう参観させてもらうしかない
と思い、校長や園長にことわって、普段の授業や保育をわずか
な時間でもあれば、参観させてもらいました。それは実に濃厚
な学び多き日々でした。

いけないと思った事、その2「研究授業の弊害」。
 これは、学生時代からずっと思っていたことなのです。研究
授業のときだけ頑張る先生たちって、どうなんでしょう。その
日だけいろんな準備をして、環境も整えて、それが終わればま
た退屈なルーティン授業の日々。そういう教師の姿勢を子ども
たちに見せることは教育上良くないと思ってました。
 教員になって、実態はもっとひどいということが分かりまし
た。格好よく見せるための授業をお膳立てするための指導案検
討、しゃべる人がだいたい決まっている研究協議、そして、情
報や指導を与えるばかりでこちらを受けとらない指導主事。
 行政として何ができるか。まず、研究授業については、国立
教育政策研究所の総括研究官や何人かの大学教授に指導してい
ただき、各校の研究協議をワークショップ型に変え、指導主事
も協議に参加するようにしました。
 それから、研究授業でない普段の授業を充実させることが大
事です。これについては、私が毎日参観に通って先生方に指導
したところで、そんなのは鬱陶しがられるだけです。そこで
日々の授業や保育を参観し、自分が学んだことを「通信」とし
て各校の職員室で回覧してもらうようにしました。週2,3回
発行して年間300ページ以上になりました。
 与える指導主事から、受けとる指導主事に、私は変身してみ
たのです。

2.受けとる指導主事
 通信を書くにあたって、一番心がけたことは、どんな授業の
どんな場面でも、その場面の良さをまず自分が学ぶということ
です。今、読み返すと、良さを学べていないままに書いてし
まっているなと思われる文もありますが、書いているうちに良
さが見えてくるということはよくありました。(表現は思考の
手段です)
 4月当初から学級崩壊に近い状態になってしまっているクラ
スがありました。初めてその教室に入った日は、通信が書けま
せんでした。教師の努力はよく分かりましたが、授業としての
「良さ」を私が学ぶことができなかったのです。
 それでも、5月、6月と、教師がしていること、子どもたち
の様子を淡々と書いていきました。4月からその学級の担任に
なった教師はベテランでした。そのクラスは、行事でお互いを
応援し合うような仲のいいクラスになっていき、授業も深まり
のある授業になっていきました。12月の教室には、宮沢賢治
『やまなし』の授業記録が壁いっぱいに貼られて、子どもたち
が自主的に作ったという『やまなし』の影絵が並んでいました。
私の通信はその学級の変化を綴っていくことになりました。
 その学級担任が、後日、わたくしに語ってくれました。
 「本当は、5月、6月のころは、どうしていいかわからず、
とってもきつかったんです。学校に行くのがつらかったです。
朝、起きれないこともありました。でも、書写の授業を書いて
いただいた通信を読んだとき、もしかしたらいけるかもしれな
い、と思ったんです。そこからまた気を入れ直しました」
 そう言われて、その書写の授業の通信を読み返してみました
が、ただ授業の様子を淡々と書いたいつもの通信でした。授業
から受けとったものをそのまま表現しているだけです。それが
教師の支えになることもあるのだと思いました。
 その通信を継続し、町の指導主事を5年間勤めた後、県教委
に異動になりました。そこでも同様の通信『はにい』
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/
を発行し、神奈川新聞の『教室に行こう』
http://www.kanaloco.jp/special/serial/schoolroom/ 
という連載も開始しました。いずれも、普段の授業や保育の一
場面をありのままに描写するだけの通信ですが、校種を越えた
授業の様子をシェアすることも目的としました。授業ライブ感。
決して優れた実践とか、手本となる授業というわけではない。
普段の教師の実践を受けとって、それをそのまま返す。褒めも
しないし、助言もしない。県民に対しては、普段の学校に目を
向けてほしい、教師に対しては、これが教師自身の学びの契機
になればいいという思いがありました。
 これらの通信を活用して研修する方法も考案し、教師が自分
たちで授業を見つめ直すツールにもしました。授業について語
り合い、自分で気づく。自分で問いをもつ。そんな主体的な学
びの基本を習慣づけること。これは、子どもたちの授業と同じ
です。特に、若手教員が増えてきた学校では、今後、自分たち
で研鑽していく習慣が必要です。そのあたりの詳細は、『結果
が出る 小・中OJT実践プラン20+9』(教育開発研究所 2015)
http://www.kyouiku-kaihatu.co.jp/class/cat/desc.html?bookid=000457
の最終章に書きました。
 こうして、神奈川県の指導主事は各校を飛び回り、様々な授
業へ教師を誘い、対話を促すファシリテーターの役割を担うよ
うになったのです。

3.受けとる管理職
 現在、私は公立中学校の教頭をしています。多くの学校が同
じ悩みを抱えていると思いますが、本校でも、中堅の教師が少
なく、若手が増えてきています。また、授業の準備にかける時
間はなかなかとれず、土日は部活動で自己研修会に出かけるこ
ともできません。
 そんな中、それでも授業をより向上させたいと思っている先
生方に、学びの機会をどう設定できるのか、また管理職として
何ができるかを考えました。
 と言っても、自分が出来ることは同じです。今でも普段の授
業を受けとり、その一場面を通信として職員室で配付していま
す。
 しかし、それを見て、対話をする時間もなかなかとれません。
なんとか、自分の授業を見つめる時間が作れないだろうか。
 そこで、授業者が自分で、継続的に、それも短時間で、日々
研鑽していく方法として「朝どれ研修法」という方法を考案し
ました。この方法は、カウンセラーの自己研修法である「セル
フ・カウンセリング」という方法をもとにアレンジしています。
「朝どれ研修法」という名前を考えてくれたのは、となり町の
指導主事です。新鮮な野菜を味わっているような研修だという
ことが名前の理由でした。
 簡単に説明すると、授業が終わった後、気になった場面の録
音を聞いて、そのとき自分が何を考えたかを記録します。ただ
それだけです。今は、その方法を試しているところですが、最
初は、私が授業の一場面をテープから起こして、「その時授業
者は何を考えたか」をところどころに記入するワークシートを
作って配付しています。
 これを今年、私の私設研究会「オチャ研(オープンチャレン
ジ研究会)」で紹介したところ、面白がって実践した先生から
実践報告がありました。自分で記録していくだけで、「大事な
ところで子どもに説明させず、教師が説明してしまった」とか
「子どもの思いとずれていたらしい」といったことに気づき、
「この方法は自分で継続して取り組める」と語っていました。
次回は3月3日の「オチャ研」で実践検討会をする予定です。
 ただ、自分で取り組める研修といっても、記録したものを受
けとってくれる人はやはり必要なようで、受けとる人がいない
と「厳しさ」がない、という意見が出ていました。

4.受けとる教師教育
 自分が実践してきたことをとりとめもなく書いてしまいまし
た。
 教師を教育するにしても、子どもを教育するにしても、「受
けとる」者の存在が深い学びをもたらすことに変わりはありま
せん。
 与える教育から、受けとる教育へ。そして、受けとり合う世
界へ。
 大丈夫。つながっていれば、生きていけます。

 おしまい

==============================================
 岩渕先生、ありがとうございました。指導主事としての発信
は様々な状況の中で、なかなか厳しいとも聞いています。様々
な条件をしなやかにクリアしながら発言を続けてこられた一端
がうかがえました。指導主事時代の試行錯誤と経験が、学びの
変容・深化につながっていることを具体的に読む機会はほぼあ
りません。大変興味深く読ませていただきました。
 私は今年度、「定点観測」と自称して、全国のいくつかの学
校・教室を定期的に訪問させていただいています。岩渕先生の
学校もその一つです。授業を拝見させていただき研修にもほん
の少しだけ関わらせていただきながら、実にたくさんの学びが
あります。岩渕さんが主事時代に感じていらっしゃったことが、
中学校の現場で確実に実現してきていることを、目の当たりに
する機会になっています。特別な出来事や圧倒的な授業があっ
たりするわけではありません。でも、先生方が少しずつ着実に
伸びています。日本の学校教育の行く末にあたたかなまなざし
を向けたい、明るい気持ちになる学校です。
 1月にもまたお伺いすることになっています。

 新たに1月12日金曜日発行の号に、柴崎卓巳子さん(福岡
県田川郡添田町立真木小学校養護教諭)にご執筆いただけるこ
とになりました。楽しい保健指導を目指し、菊池省三さんや上
條晴夫さんとゲームやワークショップを中心とする保健の授業
を開発してきた養護教諭です。現場での新採指導にもかかわっ
てこられた方です。

 次号は、12月19日火 妹尾昌俊さん(学校マネジメント
コンサルタント/学校業務改善アドバイザー<文科省委嘱>)。
書籍の出版、そして各地での講演や研究会で、学校教育の変革
に向けて精力的な発言をされている、現在最注目の方です。
==============================================
メールマガジン「教師教育を考える会」
50号(読者数2561)2017年12月15日発行
編集長:石川晋(zvn06113@nifty.com)
登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html
(まぐまぐ:教師教育を考える会)
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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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