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2018-02

教師教育メールマガジン48号、宇都宮美和子さんです! - 2017.12.08 Fri

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メールマガジン「教師教育を考える会」48号
         2017年12月8日発行
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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栄養教諭四方山話
  帯広市立稲田小学校栄養教諭/
  十勝清水食育ネットワーク事務局長
                     宇都宮 美和子
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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 48号は、宇都宮美和子さん(帯広市立稲田小学校栄養教諭
/十勝清水食育ネットワーク事務局長)。日本の食糧生産の中
心地の一つでもある北海道十勝地区の学校から栄養教諭として
精力的にご発言を続ける方です。
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・自己紹介
 皆さん、こんにちは。北海道は十勝、帯広市立稲田小学校栄
養教諭の宇都宮美和子と申します。
 学校栄養職員から平成17年に栄養教諭に任用替えとなり、
本校で3校目の勤務となります。
 帯広市は十勝川がもたらした肥沃な大地<十勝平野>のもと
に位置します。農畜産物に豊富に恵まれ、給食でも多くの地場
産物を使用し、北海道で1番、日本で3番目の食数1万4千食
の子どものお昼ご飯を提供することができています。現在、栄
養教諭5名、帯広市職員の栄養士2名の7名と145名の調理
員で給食運営を行っています。なかなか大変な現場ではありま
すが、やりがいもあるといったところでしょうか・・・。

・栄養教諭って?
 まだまだ、制度化されて間もない栄養教諭という職種ですが
皆さんの学校には配属されていますか?近年は、私のような任
用替えではなく教員採用試験を経て学校に入ってくる優秀な栄
養教諭が増えてきました。北海道・十勝にも新採用の栄養教諭
がどんどん配属されてきています。
 栄養教諭の本務は「食に関する指導と給食管理を一体で行い、
学校での食育推進に中核的な役割を担う」と定義され2005
年度に導入されています。が、栄養教諭の配置は各自治体に委
ねられています。学校栄養職員の兼務発令を受け学校給食セン
ターなどの調理場での給食管理なども業務となっています。い
わゆる「二足のわらじ」での仕事をしています。
 栄養教諭養成の大学を卒業し、夢と希望にあふれて配属され
てきた栄養教諭がまずぶち当たるのは「調理場」という大きな
大きな試練です。みな一様に、大学で学んできた「食教育」や
「食育」を実践したくてワクワクしながら発令地へ向かうので
すが、そこに待っているのは、自分のものにするのには3年は
かかる調理場での給食管理です。中には、「1週間、調理場で
寝泊りしました・・・」という過酷な自治体もあるようです。
調理場の中での栄養士の役割は膨大です(私は機械整備やボイ
ラー点検などもやっていたこともあります)。親の年齢ほどの
調理員さんに指示を出すのですから遠慮をしていると「あっ?!」
という間に給食も塩梅が悪くなってしまいます。栄養教諭とし
て生き残るにはなかなか過酷な現状と言えます。

・栄養教諭ならではの取り組み
 私たち栄養教諭の最大の武器は「献立」をもっていることで
す。調理場から学校に送り出した給食を子どもたちが食べると
ころを見ることができます。これは、献立作成においてとても
有効です。調理場で美味しくできあがっていても、「食べる頃
には、こんなに味が変わっているのか・・・」と衝撃を受けた
ものです。栄養教諭になり学校現場を知ることで集団調理にむ
いている献立、むいていない献立が明確になり献立改善および
子ども達にふさわしい給食、子ども達が求めている給食に近づ
けていくことができました。また、学校に配属になったことで
取り組めることが多くあり、子ども達の発達段階にあわせ系統
だった食に関する指導をすることができました。
 1年生~実物提示授業・・・本時の献立食材に触れたり匂い
をかんだりして食品をあててもらいます。食材は働きごとにわ
けて板書していき、給食にはバランスよく食品が使われている
ということを知ることができます。
 2年生~収穫及び調理場見学・・・給食センター試験圃場で
栽培している作物を収穫し、調理場へ運び給食になるところを
見学します。土に触れ、収穫した食材が自分達の給食になって
いく様子は子ども達にとって食べることへの意欲につながりま
す。
 3年生~給食はどこから来るの?・・・給食センターの一日
をプレゼンテーションソフトを使用してクイズ形式で学びます。
昨年、見学室から見た調理場の様子を「手洗い」から「洗浄」
まで細部までは見られなかった様子を知り給食への関心をたか
めます。
 4年生~総合を使った栽培・・・学校菜園で栽培から収穫ま
でを行います。前任校の清水小学校では食育の柱とした町特産
品の「大豆」を「畝きり」「播種」「草取り」「枝豆収穫」
「にお積み」「収穫」「自分たちで考えて食べる」までを地域
生産者の方にも関わっていただき1年間かけて行い感謝の気持
ちを持たせます。
 5年生~家庭科の単元を使いプロの料理人を招き、献立作成・
調理技術などを調理実習で学びます。大豆を用いたメニューを
教わり、地域や生産者への関心をたかめます。
 6年生~家庭科の単元を使い大豆を用いた給食の献立を作成
します。昨年までの授業で学んだことを活かしICTを活用し
た授業として取り組みます。実際に給食となるメニュー作成な
ので子ども達も責任をもって取り組み誇りを持たせます。
 上記は一例ですが、系統立てて食に関する授業を行うことで
担任を持つ先生方にも「来年はこの取組」「今年はこの取組」
と年間計画に組み込んでもらえてスムーズに行うことができて
います。

・担任の給食指導の偉大さ
 学級で給食を一緒に食べていて、いろいろと感じることはあ
るのですが、担任の先生の指導は私が行う指導の何倍も威力が
あります。「おっ!今日のキンピラおいしいぞ!先生、おかわ
りするよ。みんなは?」などと声かけをしてくれると、ほぼ全
員が「おかわりするーーー!」と手をあげます。栄養や食材の
うんちくよりも「担任の鶴の一声」と何度心の中で呟いたかわ
かりません・・・。また、本務校では教卓で給食を食べる先生
が多かったです。「なぜ?」と尋ねたところ、「子どもの様子
を見渡せるから」「あら、あの二人は喧嘩をしたかな?」など
「食事の時には、素が出るので様子がわかりやすい」と聞き、
なるほど深いと感心したものです。また、「班に入って食べて
いて、離れた席の子が吐いたのに気づくのが遅くなっちゃった
ことがあるんだよね。心細い思いをさせて申し訳なかったから
・・・」などの話も聞きました。また逆に、班に入って一緒に
食べる先生からは「給食の時って口も開くけど心も開くよね。
だから気になる子のところで一緒に食べる」などと学級経営と
は深いものだと、また担任は偉大だと心から思いました。

・うまく栄養教諭を使ってください
 多くの先生方に、「年度初めに給食のマナーなどをやっても
らいたいけど・・・。栄養教諭の先生は給食のこともあるから
忙しいよね・・・?」とねぎらいの言葉をかけてもらえます。
その通りではあるのですが、栄養教諭は食に関するいろいろな
提案をしたいのです。私のように図々しく「家庭科ひとコマ
ちょうだい~」「生活科でこれやらせて~」「今日は一日学校
にいるので給食よろしくね!」と言える栄養教諭もいれば、
「どうしよう・・・」「何かやらなくては・・・」「でも調理
場から離れられない・・・」と一人思い悩む栄養教諭も少なく
ないと思います。新採用の栄養教諭に何度悩みを相談されたか
わかりません。
 ざっくり言えば、栄養教諭は配置校の職員です。学校から
「この内容で食の指導を」と声をかけてもらえれえば大義名分
ができます。私はつたないながらも分掌もし、学校の行事にも
勿論かかわり「学校の職員」として仕事をしています。それは、
「学校で仕事を与えてもらっている」からなのです。どうぞ、
遠慮なく栄養教諭を活用してください。そして、栄養教諭に見
事採用された皆さん、どんどん学校で「私はこんなことができ
ます」とアピールしてください。

・終わりに
 難関の栄養教諭採用試験に合格し四苦八苦している先生方、
これから栄養教諭を目指す夢一杯の学生の皆さん。月並みです
が、スキルアップに労を惜しまず、勉強しましょう。知識はも
ちろんですが、調理技術も磨きましょう。釜のひとつも回せず
(学校栄養士用語)に調理員さんに指示を出してもそれは道理
が通りません。コミュニケーション能力が社会では必須項目で
す。実際には足元にも及ばないほどの経験を積んでいる20年
30年選手の調理員さんに指示を出す、出さなければならない
立場ですが「学びの姿勢」がとても大事です。わからない事は
聞く、そして自分の意に反していたならばとことん相談しま
しょう。(何がわからなくて何が納得いかないのかさえもわか
らないのは勉強不足)時には相手をたて自分を引っ込めること
も大事です。コミュニケーションが成り立った時に「自分の献
立」が子ども達の給食として届くことになるでしょう。今は初
任者研修が充実しているので、アンテナを張り巡らしお手本に
したい栄養教諭の学校と調理場へ研修に向かいましょう。そし
てどんどん何かをつかみ自分のものへと吸収していってくださ
い。
 ちなみに・・・。私の仕事でのモチベーションは、巣立って
いった子ども達が成人式や同窓会で「俺は、私は、あの給食が
好きだったなぁ。また食べたいなぁ。」と、ほんの一瞬でも話
題にしてもらえることです。「先生の給食のおかげで、こんな
に大きくなったよ!」などと声をかけてもらえると倒れそうに
なるほど胸がきゅっとなります。
味覚の臨界期でもある小・中9年間およそ2000回三食の中の
一食を担うこの仕事。責任も大きいですが素晴らしい、かけが
えのない仕事です。
 「大変」と感じるか「やりがい」と感じるかは自分次第だと
思います。私も日々、膨大な仕事をワクワクに変換し子どもた
ちに、そのワクワクを返せるように努めています。

 長々と思いのたけを書き連ね、読み苦しい文を最後までお読
みいただきありがとうございます。
 私自身も、まだまだ学びの途中ではあります。これからもご
指導ご鞭撻いただきますようよろしくお願いいたします。

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 宇都宮さんのお仕事には、十勝郡部の小学校での栄養教諭時
代から注目していました。帯広は十勝の中心都市なわけですが、
そこでの「今」がびんびん伝わる素敵な論考でした。ちょっと、
編集人なのに…読みながら感動してしまいました。
 栄養教諭という、比較的新しいポジションは、社会的認知だ
けでなく、学校内においても、まだまだその仕事の全容が理解
されているとは言えません。そういう新たなポジションを選ん
でいく人たちの、学びの道筋づくりに真剣に取り組む宇都宮さ
んのお仕事を、大変リスペクトしています。

 次号は、12月12日火曜日。前田康裕さん(熊本大学教職
大学院准教授)です!
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メールマガジン「教師教育を考える会」
48号(読者数2559)2017年12月8日発行
編集長:石川晋(zvn06113@nifty.com)
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(まぐまぐ:教師教育を考える会)
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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
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