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2017-10

教師教育メールマガジン28号、横山験也さんです! - 2017.09.26 Tue

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メールマガジン「教師教育を考える会」28号
           2017年9月22日発行
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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  アフリカ・ルワンダにも教師教育を
               株式会社さくら社 代表取締役社長
                            横山 験也
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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 28号は、若い頃から注目の実践家としてご活躍され、現在は、教師の
育ちを支えるための出版社を立ち上げて、書籍や教育ソフトで、多くの現
職教員の仕事を支えておられる、横山験也さんです。   (石川 晋)
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1,簡単な自己紹介
 元々は小学校の教師をしていました。教材作りが好きで、あれこれ作っ
ては楽しんで授業で使っていました。90年代後半、学校にコンピュータ
ルームができ、どうしても自分で教材ソフト、とりわけ算数ソフトを作り
たくなり、退職の道を選びました。
 授業で使える算数ソフトの開発を進める傍ら、若い頃から雑誌原稿や書
籍を書かせていただいていたので、そろそろ御恩返しと思い、教育の出版
社さくら社を設立しました。
 教師教育関連の書籍では、
『教師教育』(上條晴夫編集)
『三宅貴久子という教師』(三宅貴久子を語る会著)
『まんがで知る教師の学び』(前田康裕著)
『議論を逃げるな』(宇佐美寛著)
などを刊行しています。
 
2,一通のメール
 4年ほど前のことです。JICA(国際協力機構)の海外支援事業に関わっ
ている企業の重役M氏から1通のメールが届きました。アフリカの途上国
の理数科教育に力を貸して欲しいというような内容です。
 現役の頃から、「算数教材は国境を越える」と思っており、いつかはア
フリカ・南米の子供達に届かせたいと思っていました。自分の中にも途上
国への協力という思いがあったので、M氏とはすぐに意気投合しました。

3,途上国の厳しい環境
 その後、一緒に、アフリカのルワンダとケニヤの教育視察に出かけまし
た。
 見るもの、聞くもの、「悲惨」の一言です。まさに悲しいほどの状況で
した。算数の授業に至っては目を覆いたくなる内容でした。
 そこで、算数ソフトを使って授業をするとどうなるか、実際に現地の小
学校でやってみることにしました。(これはNHK報道局の取材を受け、
放送されています。)
1)子供達のモチベーションが一気に高まる。
2)内容の理解が、あっという間に進む。
3)集中したまま1時間の授業が続く。
4)教える先生が、何が重要なのかに気づく。(日本の指導法のノウハウ
がソフトに組み込まれているから)
 このような手応えがあり、視察後、いよいよ本格的に海外支援事業に乗
り出そうと決意を新たにし、JICAの事業に関わりつつ、今日に至っていま
す。
 この流れで昨年はアフリカのルワンダに3回渡航しました。

4,ルワンダでの教師教育
 ルワンダの算数を改善するために、教師教育をどう行うべきか、私なり
に仮説を立て取り組みました。

1)誰でも効果の上がる教材(現地版算数ソフト)で授業をすると、より
効果的な指導法を現地の先生が考え始めるだろう。
2)より効果的な指導法をグループで考えることが、授業研究・校内研修
づくりの一歩となるだろう。

 「教材により授業が大きく変わることを体験し、そこから研究を始めて
いく」という流れです。環境が劣悪なので、日本の研究の仕方をそのまま
持ち込んでも、研究の必然性が伝わりません。必然性のない研究は持続せ
ず、下手をすると、押しつけるようなことになり逆効果にもなります。大
事なことは、現地の先生が「よりよい授業にするために、工夫したい!」
という気持ちになり、それを実行できる環境を作ることです。
 そういう仮説を持ちルワンダに渡航していたからか、実践と研究を5日
連続して行える特別講習が、現地のIT企業とのタイアップで可能となる
幸運に恵まれました。

5,現地の子の計算の仕方
 「3+4」を計算する時、日本の子はすぐに「7」と答えてきます。し
かし、ルワンダの子は全員が下のように○を書いてから答えを出します。

  3 + 4 =
 ○○○ ○○○○

 まず、数の分だけ○を書いています。それから、○の数を1から順に数
えて答えを出し、それを記入します。大昔の「目の子算」です。○を書い
て数える目の子算は、数が少ない内は十分に効果を発揮します。しかし、
7+9などとなると、○の数を数える途中で数え間違いが発生することも
あります。あまり、良い方法とはなりません。
 こういう話を日本に帰り先生方にすると、それは半具体を用いているの
だから、まずは認めることが必要だと言う人もいます。それも分かりま
す。ですが、この○を書く方法はかけ算でも行われます。

 8×5= と出題されると、その脇に○を書き始めます。
○○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○
○○○○○○○○

 ○を全部書き終えると、1から数えはじめます。5や10での区切りへ
の意識がないので、途中での数えミスが多発します。こういった様子を見
ていると、「5や10の束で考える」「基礎計算は暗算で答えられるよう
にする」という自覚が先生に無いということも見えてきました。教科教育
の研究もかなり遅れていると考えられます。
 悲惨な現状ですが、算数ソフトを用いることで、子供の算数力アップ、
先生方の教材研究力アップにつながるであろうことも、同時に確信できま
した。

6,「算数ソフト+研究」の効果は絶大
 頑固なほどに目の子算をする子供達に、算数ソフトを使う特別講習を行
いました。指導に当たったのは、現地の先生5人です。5人の先生は、事
前に算数ソフトと指導法についての研修を受けて講習に臨みました。ま
た、先生を2つのグループに分け、毎日、明日につなげる話し合い(研
究)を行いました。
 5人の中には教師になったばかりの若い先生もいましたが、どのクラス
でも成果は絶大でした。暗算で答えられる子が続出し、位取りを守ること
の大切さも理解できました。
 大きな成果が得られたので、ルワンダ教育局の局長との面談となりまし
た。現地の先生方が口々に、こういう授業ができるように学校環境を整え
て欲しいと熱くお願いしていた光景が忘れられません。局長もICT環境に
必須の電力を供給するために、ソーラーシステムの全校導入などどんどん
進めていくと話していました。

7,今後
 授業の研究をその都度行うだけでは、大きな見通しが立ちません。校内
研修などを見通しをもって行わせるには、どうしたらいいのか。そんなこ
とを思案していたら、それを伝える教師教育のムービーがあると伝わりや
すいとの声が現地関係者からあがりました。目下、前田康裕先生の『まん
がで知る教師の学び』のムービー化が検討されています。また、ルワンダ
大学に入っているアフリカの理数科教育研究組織からは、算数教育での共
同研究の話をいただいています。良い形でタイアップできれば、ルワンダ
の現場にあった教師教育の道が創れます。
 ルワンダの教育界は、日本のような資質の高い先生方、充実した学校の
設備、確立された研究組織、各方面との連携など、先達からの積み重ねの
ある世界とはほど遠い現状です。しかし、今は情報の伝達も物理的な移動
も、昔とは比べものにならないほど容易になりました。私が現役だった頃
には想像もできなかったアフリカの国ルワンダの教育界と、手を携えるこ
とが実現するまでになりました。かつて日本が百年かけて築いた教育の充
実も、そんなに多くの時間をかけずに繋いでいくことが可能なはずです。
そうしていつかは「ルワンダの教育はすごい!」と世界中が注目するよう
な教育システムができあがればと願っています。そのために、算数ソフト
など優れた教材に強い関心を持ち、教師教育を現地に合った形で進めたい
と考える方々と力を合わせてこの先を歩んでいきたいと思っています。
--
※文中の算数ソフトは『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』という名
称で販売されています。

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 ルワンダの教師教育の現状を紹介する形で、日本のこれまでの蓄積に丁
寧に焦点を当ててくださった論考です。日本の学校教育が培ってきた持ち
味・強みについて、改めて考える機会になりました。「前田康裕先生の
『まんがで知る教師の学び』のムービー化」、日本の我々も見ることがで
きるでしょうか。とても楽しみです。

 次号は、9月29日金。高田保則さん(北海道公立小学校通級指導教室
教諭/オホーツクADHD&LD懇話会副代表/オホーツク子どもの発達
サポート教育研究会副会長)です。北海道の北辺で、現場の教師たちがど
のように学んできているのか、丁寧にご紹介いただきます。
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メールマガジン「教師教育を考える会」
28号(読者数2536)2017年9月26日発行
編集長:石川晋(zvn06113@nifty.com)
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(まぐまぐ:教師教育を考える会)
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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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