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2017-08

【平凡で穏やかな人生をおくりたい】 - 2016.02.02 Tue

 村上春樹『バースデイ・ガール』を読む。教育出版中学校3年生。

 いくつかの「証拠」を重ね合わせていくと、やっぱり子どもたちの多くも、「平凡な人生」とか「安穏な人生」とか「平和な生活」とか「普通の暮らし」とか、そんな「願い事」だったのだろうというところに辿りつく。
 しかし一方で、若い女性が願う願い事としてはイレギュラーだと、老人を驚かせたその願い事は、もはや15歳の子どもたちにとってさえ、イレギュラーでも何でもない、ごく普通の願い事になっていることも、数年前から感じている。そもそも、バブルの名残を引きずった中流上位の生活描写である「ドイツ車に乗り、週に二回テニスに行く」という表現に出会うと、子どもたちは口々に「彼女はセレブだ」と言う(笑)。既に村上春樹も、古典なのだ。

 読み終わった後、子どもたちに、「平凡で穏やかな人生を送りたいなと願っている人は?」と尋ねると15名ほどになる。もう少しアグレッシブでいたいという人は10名ほど。

 この作品、ぼくも最初に読んだ時は、願い事の謎解きを楽しむお話だよな、という程度にしか思っていなかった。
 でも、この作品の肝はそこではなく、10年後の彼女が、その願い事についてどう思っているかというところなのだと思う。

バースデイ・ストーリーズ (村上春樹翻訳ライブラリー)

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 二十歳の時、ぼくは何を願っていたかもう忘れたが、とにかくその時に願っていることが、自分の人生を串刺ししていくものだとなんとなく思っていた。15歳の子どもたちも、そう思っているだろう。でも、願い事は、歳を経るごとに変わっていくのだ。そんなちょっと考えてみればわかることに、結構歳を取るまで、ぼくは気がつかなかった。

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Author:石川晋
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都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
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