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2017-06

メールマガジン「教師教育ネットワーク」3号 2014年3月16日発行 初任者研修から学校を見る 第3回「初任者に『省みるクセ』を」北広島市立大曲東小学校 山田 洋一 - 2014.03.16 Sun

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メールマガジン「教師教育ネットワーク」
5号                  2014年3月16日発行

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初任者研修から学校を見る 第3回「初任者に『省みるクセ』を」
北広島市立大曲東小学校 山田 洋一

https://www.facebook.com/groups/149441635241603/
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 北海道の小学校教諭、山田洋一さんによる「初任者研修から学校を見る」
の第三回(最終回)です。引き続き、上條編集長からの問いに山田さんが
答える形の構成になっています。 
 前前回→
 http://archive.mag2.com/0000158144/20140223230000000.html
 前回→
 http://archive.mag2.com/0000158144/20140302230000000.html
                            (石川 晋)
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初任者研修から学校を見る 第3回「初任者に『省みるクセ』を」

Q.いま山田さんが勤務している地域の「合同初任者研修」というものにつ
 いて教えて下さい。

A.これは、地域4校の初任者4人を集めて、年間80時間程度一緒に研修させ
 るという方法で行われています。年間80時間というとかなり大きな時間
 なのですが、月1回程度、それも午後から行ったり、長期休業中に4日程
 度行うことで、学級担任を持っている初任者に配慮しています。そもそ
 もは、学級を長時間空けてする校外研修へのオルタナティブとして考え
 られたものですので、そうした配慮はしています。

Q.その「合同初任者研修」の特徴はなんですか?

A.特徴は2つあります。

 ひとつは、各講座のコンテンツが「実践的・実効的」だということです。
 たとえば、次のようなものが並びます。
 ・講義「子どもと向き合う時間を保障するための仕事術」
 ・講義「スタートダッシュのための春休み業務」
 ・講義「2つのものさしで学級経営を評価する~Q-Uから織物モデル
  まで~」
 ・講義「教師は最初の3日でなにを指導するのか」
 ・演習「初日の指導を体感しよう~ベテランの模擬指導~」
 ・演習「日常授業のイメージを持つ~模擬授業を受ける~」

Q.ふたつめの特徴はなんですか?

A.ふたつめの特徴は、中長期的に実践の省察を促す「論理作文」を、月2
本程度、書かせていることです.。

Q.「論理作文」についてもう少し具体的に教えて下さい。

A.「論理作文」とは、野口芳宏氏が発案した(平成25年現在この作文に
 関するまとまった論考はないようだ)、次のようなフォーマットで書く
 レポートのことです。

 ○ 常態、横書きで書く。
 ○ 以下の4つのパーツで書く。
「発」~発意(動機、契機、意図)
「材」~適材(紹介、要約、引用)
「析」~分析(批判、反論、賛同)
「束」~収束(まとめ、強調、確認)
○題名は、「束」と合致させて、主張をスバリと表したものとする。

 (※北広島市立大曲小学校校長横藤雅人氏「校長通信」No.34 201
 2/05/07による)

 実際には次のような作文になります。

 (引用開始)

 「自分の力をチームに生かす」
初任者 A

発 自分の強みは何かと聞かれても、胸をはって答えられるものはない。
 しかし、今の学年団で自分にできる動きは何だったのだろうかと考えて
 みた。
材 私の学年団は、50代のベテラン女性、20代の女性と私の3人だ。
  20代女性は、昨年初めて通常学級の担任を持った。私は彼女より年
 齢は上だが、経験年数はたいして変わらず、同じように経験は浅い。
  20代女性がクラスのことで悩んでいる時は、私は話をうんと聞き、
 主幹教諭にも話を一緒に聞いてもらった。そして翌日には、ベテラン女
 性にも話をした。
析 私は彼女を何とか助けたいと思ったが、私も経験がないため自信をも
 ってアドバイスはできず、やるせない気持ちでいた。しかし、そんな私
 でもできることは、話を聞き、彼女の困り感を他の人にも知ってもらう
 ことだと思った。風通しを良くしておけば、例えば、彼女が別室で子ど
 もと話したい時にはクラスの補欠体制を整えてくれたり、教室をのぞい
 てもらったりしてもらえる。また、そうすることで、経験の浅い私たち
 の判断だけではなく、ベテランの先生方から見た時の状況や対策などを
 アドバイスしてもらえることができると思う。ベテランからのアドバイ
 スを聞くことで、彼女も安心できると感じた。一番下ではない私は、上
 と下のパイプ役になるような動きをすればよいということに気づいたの
 だ。
  私は初任者ではあるが、年齢が一番下ではない分、初任者としての立
 場は求められていないことは分かる。経験年数とは関係なく、30歳を
 過ぎているというだけで、30代なりの判断や振る舞い、対応の仕方が
 求められているのだ。年齢は上でも、力がその年齢に伴っていないのが
 引け目に感じるが、今年は、自分なりの動き方を試行錯誤しながら見つ
 けてきた。
束 今回たまたまこのような組み合わせの学年団だが、その都度、求めら
 れている役割を敏感に感じ取り、動いていきたい。また、経験年数は浅
 いが、30代なりの常識や礼儀、マナーなどを心掛けながら仕事をして
 いきたい。
 
 (引用終了)

Q.こうした「論理作文」を初任者に書かせることで、どのような良さを感
 じていますか。

A.この「論理作文」は、堅固なフォーマットであるので、その当初は書き
 方を身につけることがやや難しいです。しかし、自己の実践を客観化し、
 省察するにはたいへん適した書き方です。
 それは、自分の実践を「材」として客観化し、その「析」で論理的に分
 析することが求められるからです。
 初任者は、ときに自分の実践と、自分自身を切り離すことができません。
 「実践がうまくいかない」=「自分はダメな人間」と考えてしまうよう
 です。しかし、こうした情緒的な振り返りでは、「ダメな人間」と思っ
 てしまったところで、思考停止してしまいます。ですから、それ以上の
 ソリューションへと心が向きません。
 初任者にとって大切なことは、情緒的な自己評価を超えて、自己実践を
 客観化し、それを分析することです。
 しかも、それを月2回ずつ書いていくことで、「習慣化」することに、
 私たちは成功しています。
 つまり、「実践する」→「論理作文によって省察する」→「再実践する」
 ……というサイクルを、初任者に体得させているということです。

Q.省察する力は、なぜ若い教師に必要なのですか。

A.こうした省察こそ若手教師には必要だと、私たちは考えています。たし
 かに、日々の業務をそつなく遂行することは、若手にとって重要なこと
 です。また周囲の先輩や上司も、ひとまずなにも言わなくても業務を遂
 行できる教師であることを若手に望みはします。しかし、そうしたいわ
 ゆる「できる初任者」が将来にわたっても有能であるかどうかは保証の
 限りではありません。いや、むしろそうした初任者が、数年後周囲の意
 見を聞き入れない、マイノウハウを頑固に守り続ける教師になることは、
 珍しくありません。
 初任者育成の主眼は、一刻も早く戦力となる若手に初任者を育てる一方
 で、将来にわたっても、自らの実践を省みて、改善し続ける教師を育て
 ることです。そして、そうした「省みるクセ」は若い頃にこそ身につけ
 るに必要があると、私たちは考えます。

【取材後の感想-技術と省察-】(編集長)
 現場の「困り感」から出発して「教師教育」の大学・現場の現状に関わ
る考察、そして「初任者研修の具体的な提案」まで非常に面白かったです。

 冒頭の新人教師が「大学の養成教育が役立ち度ゼロ」と発言しているの
は少しショックでしたが、このあたり、世界の教師教育の世界では、19
70年~1980年ぐらいに「なぜそのようなことが起こるのか」の研究
が盛んに行われました。その研究を受けて「体験的で省察的な学び」の重
要性が少しずつ工夫されてきています。

 3年前、同僚と一緒に地元の教育研修センターにヒアリングに行きまし
た。「各自治体の教育研修センターでどのくらい省察に関わる研修が行わ
れているか」を知りたいと考えたからです。しかし「10年ぐらい前にち
ょっとブームがあった。しかし残念ながらそれはセンターにも校内研にも
根付くことはなかった」と言われました。「技術指導」と違って「省察指
導」はその効力を実感することがむずかしいようです。

 ところが山田さんの所属する地域では「新任教師がすぐに必要となるノ
ウハウ」と同時に「論理作文」の手法を使って「省察に関わる指導」も重
視しているということを聞いて、すごくうれしくなりました。F・コルト
ハーヘンは前者を「始めるための力」、後者を「成長し続ける力」と呼び、
教師教育には両方が必要であると言っています。山田さんの地区の「論理
作文」の成果を検討してみたいです。じつは省察指導は書いてもらうだけ
でなくそれをメンターと共に振り返る点にキモがあります。

 「教師教育ネットワーク」では大学と現場がつながる形での教師教育の
在り方を少しずつ議論していけたらよいと考えています。またそのための
プロジェクトを様々に立ち上げてワークなども作っていけたらなあと考え
ています。たとえば6月には「信念対立解明アプローチ」の入門講座など
も考えています。ぜひご注目下さい。

==================================================================
 山田さんには3回にわたって連載の形で執筆いただきました。ありがと
うございます。次号は、私が、同じく編集長の問いに答える形で3回書き
進めていく予定です。

 このメールマガジンは、「教師教育ネットワーク編集委員会」メンバー
で構成したプロジェクトチームで執筆しています。編集委員は、次のメン
バーで構成されており、上條晴夫が責任編集となっております。
・上條 晴夫(編集長)   ・石川  晋(副編集長)   ・青山 新吾
・桐田 敬介 ・佐藤 広子 ・田島 昭美  ・長瀬 拓也 ・星 彰
・村井 尚子 ・山田 洋一 ・吉永 早苗  ・渡辺 貴裕
 「ご意見」「ご感想」「激励の言葉」「取り上げて欲しい内容」など、
編集長のメールアドレスまでお寄せください。
 上條晴夫 haruo.kamijo@gmail.com
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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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