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2017-06

メールマガジン「超!エンタメ教育評論」第79号 2014年1月26日発行 「児童文学の最前線」第9回 坂東元、あべ弘士『動物と向き合って生きる』(角川書店)  - 2014.01.29 Wed

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メールマガジン「超!エンタメ教育評論」
第79号 2014年1月26日発行

「児童文学の最前線」第9回
 坂東元、あべ弘士『動物と向き合って生きる』(角川書店)

         北海道上士幌町立上士幌中学校教諭 石川晋
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 2006年初版の本。坂東さんがまだ北海道旭川市の旭山動物園の副
園長さんだった頃の作品です。ちなみに坂東さんは現在は園長さん
です。もともとは同じ旭山動物園の飼育係で、いまや人気絵本作家
となったあべ弘士さんが絵を描いています。

 旭山動物園を有名にしたのは、動物の生き生きとした本来に近い
姿を見せることに腐心した「行動展示」です。その展示方法を考え
出した中心的存在は、この坂東さんだと言われています。

 ぼくは生まれてから大学を出るまでの22年間を旭川市で過ごし
たので、さびしい地方の動物園に過ぎなかった時期の旭山動物園を
よく知っています。高校時代の雨の日、学校をさぼって動物園に行
き、誰もいない園内で、動物の生き生きとした動きを見て驚いた記
憶もあります。

 坂東さんたちは、動物が動物本来に近い姿で動物園で暮らしてい
けるための工夫をしました。「行動展示」と言いますが、園内の獣
医さんや飼育係の考えていたことは、少なくとも、当初は、いかに
見せるかではなく、動物がいかに過ごしやすく生活できるかだった
と、この本を読んでいくとよくわかります。

 動物園はいまや、種の保存のためにも欠かせない場所となってい
ます。たくさんの種が既に絶滅に追い込まれ、多くは野生では生き
残れない状況になりつつある。その中で、その種をただ生き永らえ
させるのではなく、その生きものが本来の持っている力をできる限
り発揮できる環境設定をして過ごしやすさを保障するというのは、
なるほどなるほど、と思うのです。

 坂東さんのこの本、くもざる・かぴばら館での大きな失敗につい
ても書いています。くもざるが同居していたかぴばらの攻撃によっ
て絶命した事故です。当時批判も集中したこの件について、坂東さ
んはこう言います。

   野生動物とつきあってきたぼくの中に”仲よく”という発想
  は、どうころがしても出てこないのだ。「クモザルとカピバラ
  は仲よくできなかったので、同居はやめます」とは、とても考
  えられなかった。

   仲よくできないのなら離してしまえ、という感覚は、とても
  人間的な見方で、野生動物には通用しないとぼくは思う。野生
  ではもともと仲よくなんて発想はあり得ないからだ。共存とい
  うのは”仲よく”ではない。調和だと思う。

 ここには坂東さんの動物観が色濃く反映されています。信念を感
じます。動物園は愛玩する場所ではない、という主張です。
 その当否はぼくにはすぐには判断できないけれど、それぞれの動
物についての観察に基づく模索の中で、うまくいかなかった事例が、
正確に書かれ、それを内省的に、しかししっかりと主張を持って書
き切っているところにもすごく、共感できました。

【編集部より】

○坂東元、あべ弘士『動物と向き合って生きる』(角川書店)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4044088020

○石川晋さんのブログ「すぽんじのこころ」
 http://suponjinokokoro.blog112.fc2.com/

 次号(第80号)は1月29日(水)、
 カンジヤマ・マイムさん
「マイム的エンターテイメント入門」第9回です。
 お楽しみに!

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編集長 上條晴夫 haruo.kamijo@gmail.com

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2014年1月26日発行 読者数716
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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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