topimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimage

2017-08

「本当に泣くんですか?」 - 2013.10.29 Tue

 ぼくが学校の先生として歩んで来る中で、初任の年に経験した二つのことは重大である。
 一つは、あちこちに書いている通り、絵本の読み聞かせのこと。
 そしてもう一つは、実は映画鑑賞会を実施したことだ。
 当時の学校は、一番近い映画館まで100キロ以上。生徒は映画館で実際に映画を見るという経験を持っていなかった。当時旭川で映画の上映を全道を回って行っていたグループに相談した。

 その映画上映チームが提案してきたのは、なんとアニメ「對馬丸」。
 荒廃した学校にアニメ。スタッフはこういった。「生徒はぼろぼろ涙をこぼすから」と。

 大丈夫だろうかと思うぼくは、思わず、「本当に泣くんですか?」と問うた。彼らはビデオではない、映写機で回す映画の力を見くびってもらっては困ると、ニヤッと笑って言った。
 果たして、リーゼントの少年たちは号泣し、終了後は映写技師から離れなかった。
 本物の力をまざまざと見せつけられた。
 本物を学校へ、教室へ。それが以後のぼくの実践の根っこにずうっとあり続けるものだと思う。

 なぜそんなことを書くかと言うと、今日の小笠原一規さんをお迎えしての芸術鑑賞と、合唱指導があまりにも素晴らしかったからだ。まさに本物であった。

 昼、小笠原さんと久しぶりに話をする。広尾の合唱団を隔週で指導するという関係で、小笠原さんには出会ったのだが、あのころとは見違えるような圧倒的な一級の歌手に変貌した。
 小笠原さんは、たしか2年前のPMFで、オーケストラ版の歌劇の主役に大抜擢された。PMF。世界有数の若手の教育型音楽祭で、大指揮者と1か月音楽づくりができる。彼の年は、ファビオルイジっていう大指揮者だった。彼は、自分の声がオーケストラの音を飛び越えられないと分かったっという。それで、声を変えるために先生を変えた、と。
 そして、「帯広で歌ってきたけれど、一流との仕事を若くして経験したら、もう一級のものを求め続けるしかないんだ」とそう言った。ぼくにはこの感覚はよくわかる。ぼくも若い日に、日本の一級の先生方に出会い、もうそこからスタートするしかなかったからだ。

 今日は、過去から自分の現在を照射する。六本木クロッシング以来の自分の問題意識をも照射する時間になった。


ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
(2009/10/21)
パトリシア・コパチンスカヤ

商品詳細を見る


スポンサーサイト

● COMMENT ●

小笠原さんの唄を聴いて、なんか体全身がゾクゾクっとしました。
 感動?歌唱力?声量?オーラ?
なんだったんでしょうか・・・


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://suponjinokokoro.blog112.fc2.com/tb.php/2386-a917dd91
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

合唱練習佳境 «  | BLOG TOP |  » 北海道子どもの本連絡会運営委員会

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター

最新記事

プロフィール

石川晋

Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

月別アーカイブ

最新コメント

カテゴリ

未分類 (50)
教育 (2156)
音楽 (259)
雑記 (341)
映画 (13)
読書 (31)
美術 (12)
研究会等 (10)
自然保護 (9)
CD&DVD (0)
育児 (30)
自然 (82)
対話 (7)
思考 (36)
演劇 (4)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QRコード