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2017-08

人生最初の学級通信から、考えを広げていく…雑考 - 2012.07.16 Mon

 今度の学級通信の本には、冒頭に、ぼくの人生最初の学級通信を掲載した。
 こういうのは、多分他にないものと思う。
 本の構成、構造等、いろんな意見がある。十分、不十分という議論はあるが、この通信一枚に込められたものが、本全体を貫く「価値のインストラクション」とも言える。

学級通信を出しつづけるための10のコツと50のネタ学級通信を出しつづけるための10のコツと50のネタ
(2012/07/10)
石川 晋

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 現物は感熱紙に印字したものなので、すっかり黒ずんでしまった。載せたものは一語一句間違いのないようにレイアウトも全部同じに打ち直したものである。ぼくがどれほどひどいところからスタートしたか。それを物語っている。

 1990年だ。もう村田栄一の通信群も、全生研の実践群も、向山洋一の『教師修行10年』も発表になっていた。つまりぼくはあの時点で、それらのものをちゃんと読んでいなかったわけだ。おそまつだった、すぐれた実践群に学ぶこともせず、独りよがりだったのだ。調子に乗って、先輩の教師のアドバイスもきちんと受けとらず、自分のひどい現実には目をつむっていたのだ。
 その結果、子どもたちにつらい3年間を(3年間持ち上がりだった)過ごさせることになり、今でも当時の教え子に会うのがためらわれて、だから、彼らと転任後もきちんと会ったことがない。たまに部屋の棚にある卒業文集を読み返す。それでも彼らの言葉は温かく、胸が詰まる思いだ。

 自分が通って来た道に悔いはない。ここまでずいぶん遠回りをしてきたが、ぼくにとっては必要だったと思う。

 ただ、最初の3年間、放課後8、9時まで普通に家にやってくる子どもたちに耐えかねて(家に入れないと屋根に登ったりする)毎夜、自分の居住地を離れて、遅い時間に帰ってくることを繰り返し、満足に本も読まなかったことだけは深く悔いている。本物の職業人になるためには、きれいごとでなく歯をくいしばって踏みとどまらなければならない時があるのだ。
 その後ぼくは「読書」を自分の人生に取り戻したが、あの3年にこそ向き合わねばならなかった本との出会いの機会を失ったことは、あまりにも大きな損失だったと思っている。

 教師になって最初の3年に、どれだけ自分を律して本を読めるか、先輩の話に耳を傾けられるか、それは、その後の数十年の教職人生を左右する重いものだ。通り過ぎてわかる。若い先生に丁寧に説明するが、なかなかわかってもらえない。
 ぼくは奇跡的に、その後、学び中心の生活を取り戻したが、それはまあ偶然の産物である。多くの先生は、そのまま、学びが生活にないまま、時を過ぎていく。せいぜい本を買ったりDVDを買ったり、研究会に行ったり、誰かの授業をビデオに収めたりして、実際には自己満足してその後の読み直しも振り返りもない生活に堕していく。「まあこんなもんでいい。」と考え、保護者のクレーム、生徒とのトラブル、同僚との関係づくりの失敗の多くを、相手のせいにして過ごしていくことになる。


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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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