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2017-10

大津のいじめ事件 - 2012.07.12 Thu

 まとまらないのだが、とりあえず書いておかねばならないと思う。

 ぼくがかつて担任していたクラスでもいじめが発生したことがある。
 昨年まで担任をしていたクラスでは、大きな事案はなかったが、実際のところ、見えないところでどんなことが起こっているかを、ぼくが知るということは難しいとしみじみ感じていた。いつでもいじめ事案は起こりうると考えていた。

 大津の該当の中学校と、市教委、県教委は今大変だろう。だが、今回の一連の流れについて、既視感を持つ人がほとんどだろうと思う。これは今までに、ぼく達の国で何度も起こって来たことの複製じゃないのか! と思う人の感覚は正しいはずだ。これまでに何度も見てきた構図・構造なのである。教室、学校から、管理監督者、管理監督庁に至るまで。そしてその後に起こりつつある動きも、ほとんど同じである。

 原子力事故の問題について、利権とか、原子力ムラとかいろんな言われ方をするわけだが、あの構造を、大戦後の戦争反省の構造と同じだと見る見方はある程度以上妥当だと思う。要するに、誰も責任を取らない構造であり、責任を取らせる仕組みがない構造なのである。

 今回も、また、大津を発信源として、水面に石を投げ込んだ水の輪にように、日本じゅうに、例えば「いじめアンケートを取りましょう」というような話が広がるだろう。そして、遠い場所になればなるほど、中心の衝撃とは無縁の護送船団方式の対応が取られていくだろう。
 以前にも書いたかもしれないが、いじめのアンケートにつきものの項目に、「いじめられたりいじめを見たら誰に相談しますか」というのがある。<保護者、先生、兄弟、友人、その他、誰にも相談しない>というような選択肢が並んでおり、中学生なら、よほど出来た学級でも、先生を選ぶ生徒は最大で3,4割だろうと思う。残りの6、7割は、先生に相談しないという時点で、アンケートの有効性そのものが疑わしいという、バカバカしいくらい当たり前のことが、行政にも学校にもわからない。ひどい場合は、可能なら記名してください、などとプリントされたりする。まともな生徒なら、いよいよ本当のことを書かないだろう。大きな職場で大人を対象に同じことをした時のことを考えてみるといい、ほとんどの大人は、もうそのアンケートには本当のことは書かないだろう。

 ぼくは、アンケートがダメだといっているのではない。アンケートでわかることもあるのだから。ぼくは、アンケートを責任の所在を不明確にする構造の典型的な例として提示して、ポーズ的対応で「対応しています」と胸を張ろうとするあさはかさを指摘したいだけである。

 今回の大津の事例でも、二度にわたるアンケートが行われている。報道されていることの当否を判断できないので、慎重に書かねばならないが、16名の生徒が「自殺の練習」について記述しているという。そもそも上のような前提下で実施されるアンケートに、もし本当に、それでも16名もの生徒が「自殺の練習」について書いたのなら、これはすごいことだ。にもかかわらずその事実の重みを受け止められない構造が、学校を取り巻く構造そのものなのだと考える。それが伝聞情報だったと述べているが、こうした事案を「伝聞情報」という修辞法を使って伝えるのは、大人の社会でも常識である。それを、最大限に自分達に甘く、都合よく解釈しようとするのは、当事者の常だ。まさにそういうことがぼくらにも見える形で、また出てきてしまっている…とぼくには見える。

 内部で起こっていることを、内部で客観的に分析したり対応したりすることは無理だという指摘は、かなりの線で的を射ている。学校の内部にだって、複雑な利害の構造と情感が働いているのだから。その問題を横に置いて、内部の自助努力でのみ解決しようという方向のガンバリズム的推進も、正直に言って愚かだなと思う。

 とりあえずここまで。
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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
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