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2017-10

桔梗友行『子どもの力を引き出す新しい発問テクニック』(ナツメ社) - 2012.05.31 Thu

 少し前に出た本である。
 桔梗さんの最初の本ということですぐに購入したのだが、本の山の中でなかなか読めていなかった。

子どもの力を引き出す新しい発問テクニック (ナツメ社教育書ブックス)子どもの力を引き出す新しい発問テクニック (ナツメ社教育書ブックス)
(2012/02/21)
桔梗 友行

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 さて、ナツメ社さんは最近こうした種類の本にとても力を入れていて、イラスト、図解も充実し、とても読みやすい想定になっている。伊垣さんの新刊はめちゃくちゃ売れているようだが、桔梗さんの本はどうか知ら?

 さて、「発問」に特化した本で、アプローチとしてはオーソドックスである。しかし、桔梗さんはまだ10年目の若手。桔梗さんなりのオリジナルな着眼点はどのあたりにあるだろうかと注目しながら読んだ。
 まず、大変感心したのは、先行実践明記の徹底した姿勢である。巻末にも参考文献リストが記載されているが、これはよくあるパターンで、実は活用しにくい。桔梗さんは、本文中に出来るだけ関連文献を明記するように心がけている。これはいい。最近の教育書は、大方ここがずさんであり、結果、実践が、その場で行き止まりになってしまう。桔梗さんの姿勢に共感できる。

 それで中身もなかなかおもしろい。荒井賢一さんの発問論などにも触れていて、広く目配りしようという姿勢もうかがえるし、結果、発問に関する広範な議論を拾えていると思う。一方で、目次がインデックスとしての役割を果たしていないところが惜しい。つまり広範な情報が織り込まれていながら、目次を見ても、すぐに関連する情報が拾えないのである。
 実はぼくもプロット段階から、目次づくりに苦労してきた。最初の頃は、ここがうまくいかなかったことが、最終的にたくさんの方に読んでいただく機会を失う結果にもなっていたように思う。
 桔梗さんは、次もまたその次も出版のチャンスが巡ってくる人だろうから、ぜひ、次回作に、すっきりとした見通しのよい目次を期待したい。

 読み進めて行くと、この本は、「発問」に限定したものよりももう少し広い関心に裏付けされていることに気付く。先ほど少しふれた荒井さんの二つの発問論の横にはちょんさんのWBMのオープンクエスチョンが並べられていたりする。明らかに『学び合い』を意識したページもある。
 そう考えてくると、「発問」というラベルが適切なのかどうかも少し気になる。桔梗さんの興味の範囲はもっとずうっと広いところにあり、学びの範囲も広範であり、いまだ未整理の部分も思い切って詰め込んだ感じがある。
 「発問テクニック」と『学び合い』の同居はやはり難しかろう。おまけに芦田先生とのやりとりを踏まえたであろう評価論まで取りこもうとして、そうすると多少は雑然とする。だが、初めての本だ。そのくらい気負いがあっていい。次のステップで、桔梗さんがどんなカードを切ってくるのか、この辺りも楽しみだなあと思う。

 それにしても、若さあふれる本である。そして、若いけれども、若手に特化するとかミドルに絞るとか、そういう言葉の下で、入口論をぐるぐる回らない力強さがある。若い時から、ちゃんと世界を全部自分の言葉で語りつくそうという気概があって、いい。本を書くということは、こうでなければならないと思う。

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● COMMENT ●

ありがとうございます

石川晋先生

尊敬する石川先生に,大変ありがたい,すてきな書評をいただき感激しています。

なんの実績もない僕が,「発問」の本を書くということが,なんとも申し訳ない気持ちでいたのですが,こうやって過分な感想をいただき,書いてよかったと思えました。

石川先生のご指摘が,見事なまでにあたっていて,なんだかお恥ずかしいです。
「『学び合い』」のことも,「芦田先生」のことも,「未整理の部分」のことも。
思いっきり背伸びして書いてしまっていることがばれてしまって (^_^;

次のステップがいただけるのかどうかはわかりませんが,
せめて背伸びしてしまっている自分を等身大に戻せるように,子どもたちと向き合っていきたいと思います。

石川先生にもお会いして,お話を伺いたいです。
本当にありがとうございました。

桔梗さんへ

背伸びかどうかはわかりませんが、堀くんが言う通り、なりたい自分や走りだしてしまった自分の名前が、内実を育てるということがあると思います。ぼくは20代で北海道の授業づくりネットワークを背負うような形になり、一人歩きする名前(看板)と、自分の実態との、乖離に苦しみました。でも結果、看板に追いつくための道のりが、少しは自分をましにしていったようです。桔梗さんは、あの頃のぼくとは比べようもなく素晴らしいと思いますが、ね。等身大より少し大きく見せてもいいじゃないですか。志が人を本当に大きくします。そのうち会えるといいですね。


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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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