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2017-08

志水宏吉『学力を育てる』(岩波新書) - 2012.04.12 Thu

 今日は本が読めた。
 といっても、調子よく読める時とそうではない時があり…。
 村田栄一の『じゃんけん党教育論』(社会評論社)を読もうと思っていたのだが、最初の数頁で今日はダメだなあという感じになり、志水宏吉『学力を育てる』(岩波新書)を読む。核心の部分はほぼ読み終わる。


学力を育てる (岩波新書 新赤版 (978))学力を育てる (岩波新書 新赤版 (978))
(2005/11/18)
志水 宏吉

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 この本のおもしろいところは、学力論争の分析や筆者の主張を展開する前に、セルフライフヒストリーアプローチを試みていることだ。つまり、志水さんの学力分析もまた、誤解を恐れず書けば、志水さんのこれまでの人生との関わり合いの「物語」であるということなのだ。
 詳細な分析はおもしろいが、しかし、特に心に残ったのは、以下の言葉。

  学力には、二つの部分がなければならないと感じた。「わける力」と
 「つなぐ力」である。
  「わかる」とは、「分かる」である。物事をちゃんと分けて捉えるこ
 とができるか。輪郭のぼんやりとした対象をまとまりごとに区切って認
 識することができるか。それができなければ、世界はピンぼけのまま、
 霧がかかった状態にとどまる。
  しかし、それだけではない。分けられた個々の要素を、今度は、関連
 づけて把握しなければならない。部分部分をつなぐことによって、ひと
 つの全体として理解するのである。そのことによって、世界は秩序ある
 ものとして、私たちの前に姿を現すことになる。
  要するに、前者は「分析」、後者は「総合」と呼ばれる知能の働きに
 言及するものである。両者は、バランスよく組み合わされなければなら
 ない。

  したがって、教育という観点からすれば、その子の持ち味、その子の
 個性を的確に見極めることがきわめて重要になってくる。そして、その
 子にあった働きかけ、その子にあった環境を用意することが大切になっ
 てくるのである。
  もう一点指摘しておきたいことは、樹はグループで育つということで
 ある。林や森のイメージである。
 (中略)
  子どもは、集団のなかで育つものである。学力も、そうだと思う。周
 囲の人々との人間関係や仲間たちとの切磋琢磨を通じてこそ、学力の樹
 は適切に成長するものではないだろうか。仲間がともに育ち、伸びるよ
 うな教育環境を提供すること。これこそが、子どもたちの学力を育てる
 ための基本要件だと思われる。


Water Music: Suites 1 2 & 3 (Comp)Water Music: Suites 1 2 & 3 (Comp)
(2000/08/15)
Handel、Mackerras&Prague Chamber Orch 他

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● COMMENT ●

ご無沙汰しております。遅ればせながら「学びのしかけMM」の完結、本当にご苦労様でした。すべてプリントアウトして、本校の研修部書架に置かせていただいています。コメントしたいことは山ほどありますが、できるだけ短く。「セルフライフヒストリーアプローチ」であるとの指摘は、私がこの本にいつも立ち戻る理由と重なっており、言い得て妙と思いました。志水氏の「物語/ナラティヴ」であることが、読み手を強く惹きつける所以であると私も考えます。

「仲間がともに育ち、伸びるような教育環境を提供すること。これこそが、子どもたちの学力を育てる
 ための基本要件」との指摘も重要ですね。自身のレポートの末尾にこの本を引用したのが、教基法が変わった6年前。その時掲げた「教えと学びの一元化」とのアイディアは、未だ展開不十分です。改めてこの本を読み直してみる必要を感じました。ご紹介ありがとうございました。

6年ぶりの3年担任。先生に倣って「信頼・対話・表現」をキーワードに、振り返りジャーナルやホワイトボードミーティング、パーソナルポートフォリオなどを導入して最後の一年を子供たちと共にスタートしました。音楽室のデフォルトも協同学習対応に変えました。先生の新刊を参考書に、どこまでできるか楽しんで実践してみたいと思います。また相談に乗ってください。ご家族との幸せな日常を、知的刺激と共に発信してくださることを楽しみにしております。やはり長くなりました。ではまた。


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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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