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2017-10

★学びのしかけプロジェクトメールマガジン217号 佐内信之さん「ハイブリッドチーム最終報告-教育内容・教材・教授行為・学習者-」 - 2012.03.19 Mon

 私が編集するメールマガジンの最新号。今号は佐内信之さんです。
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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
                217号 2012年3月18日発行
                        (毎週火金日発行)
http://www.jugyo.jp/
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★目次★
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1.ハイブリッドチーム最終報告-教育内容・教材・教授行為・学習者-
          「ハイブリッド」副編集長
              東京・杉並区立方南小学校  佐内 信之
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 「ハイブリッド」編集チームの副編集長。佐内信之さんの最終回です。
前回の中間報告を受けて、以降の原稿についての分析、です。長文です。
じっくりお読みください。               (石川 晋)
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1.ハイブリッドチーム最終報告-教育内容・教材・教授行為・学習者-
          「ハイブリッド」副編集長
              東京・杉並区立方南小学校  佐内 信之
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 読者のみなさん、こんにちは! 前回(178号 2011年12月1
3日発行)は「ハイブリッドチーム中間報告-ハイブリッド×ライフヒス
トリー-」という原稿で、チームの方向性を整理しました。
 http://archive.mag2.com/0000158144/20111213230000000.html

 今回は、その後のチームのみなさんの原稿をふり返りながら、「ハイブ
リッド」という考え方の現時点でのまとめをしてみたいと思います。手が
かりにするのは、「授業づくりネットワーク」初代代表の藤岡信勝さんに
よる「授業を構成する四つのレベル」です。(『授業づくりの発想』日本
書籍、1ページ)

 (1)教育内容(何を教えるか)
 (2)教材  (どういう素材を使うか)
 (3)教授行為(子どもにどのように働きかけるか)
 (4)学習者 (それによって子どもの状態はどうなるか)

■誰が〈教育内容〉を求めるのか?

→阿部隆幸さん
 授業づくりは「あり方」なのか「技術」なのか
 184号 2011年12月27日発行
 http://archive.mag2.com/0000158144/20111227230000000.html

 授業づくりは「あり方」なのか「技術」なのか、このような問いを投げ
かけた阿部さんは、「双方が結びついての授業」という結論を導き出して
います。たとえば、協同学習の場合、「協同することはすてきなことなん
だよ」という「あり方」とともに、「協同することで効率的に課題が解決
する」という「技術」を伝えるというわけです。

 この「あり方」は〈教育内容〉と置き換えられそうです。「協同」とい
う〈教育内容〉を教えるために、「折り紙」を〈教材〉として活用しなが
ら「代表がんばれ」という技法を〈教授行為〉として駆使しているわけで
す。それが「技術」と言えるでしょう。そして、〈教育内容〉を学ぶため
に〈教材〉や〈教授行為〉が適切であったかどうかは、〈学習者〉の存在
を意識しなければなりません。

→菊池省三さん
 対話学習の土台を育てる『ほめ言葉のシャワー』
 185号 2012年1月6日発行
 http://archive.mag2.com/0000158144/20120106230000000.html

 菊池さんが提案する「ほめ言葉のシャワー」とは「一人ひとりのよいと
ころを見つけ合い伝え合う活動」です。具体的には「帰りの会で毎日」、
代表の子に対して「残りの子どもと教師がその子のその日のよかったとこ
ろ」を「自由起立発表でシャワーのように続けて行う」のです。

 このような活動を継続する目的として、「一人ひとりが自信を持って自
分の意見を述べ、互いにそれらを聞き合い、対話を通して友だちと考えを
深め合う」ことが示されています。「対話」が〈教育内容〉と言えそうで
す。「対話」という学びのよさを〈学習者〉が実感するためには、「ほめ
言葉」を互いに浴び続ける活動が有効なのでしょう。

→乙部啓二さん
 「クラス会議」から見えてきたもの
 187号 2012年1月10日発行
 http://archive.mag2.com/0000158144/20120110230000000.html

 乙部さんは「クラス会議」を手がかりに、学級における「自治的集団の
形成」について考察しています。「挨拶の時の『良い姿勢』というのはど
んな姿勢なのだろうか」「良い姿勢をすることがなぜ,誰にとってよいの
か」このような問いを子どもたち自身に意識させることが「自治」につな
がると考えています。

 ここでは「良い姿勢」という〈教育内容〉そのものの検討が求められて
いるようです。そのとき、大切なのが〈学習者〉の視点です。何のために
(目的)誰に対して(相手)良い姿勢をするのかという意識が〈学習者〉
に無ければ、いつまでたっても「自治」は育たないと思われます。

 以上、3本の原稿の中から「協同」「対話」「良い姿勢」という〈教育
内容〉を取り出してみました。これらの主体は子どもです。〈学習者〉が
〈教育内容〉を学ぶ欲求を持てるかどうかに、授業づくりのポイントがあ
りそうです。

■何のために〈教材〉を必要とするのか?

→中嶋卓朗さん
 学級目標とBeingのハイブリッド
  ~学級目標が目指すべき学級のゴールとして機能するために~
 200号 2012年2月10日発行
 http://archive.mag2.com/0000158144/20120210230000000.html

 中嶋さんは学級目標「ハッピーともだち」を実現するために「Being」
という手法を取り入れています。「模造紙に,大きくハートマーク」を描
き、「内側に,学級目標に向かうためにみんなでやっていく行動」「外側
に,学級目標に向かうためにみんなでやらない行動」を日々、記録してい
くのです。

 たとえば、ハートマークの外側には「こそこそ話」、内側には「いっし
ょに遊ぼうとさそう」などのエピソードを書いていきます。小学1年生の
〈学習者〉が学級目標を意識しやすい取り組みになっています。ハートマ
ークを描いた「模造紙」が〈教材〉の役割を果たしていると言えます。

→中村健一さん
 楽しく叱る
 203号 2012年2月17日発行
 http://archive.mag2.com/0000158144/20120217230000000.html

 「楽しさ」と「叱る」を組み合わせるため、中村さんは「ジャンケン」
を活用しています。黒板を見ていない子、話を聞いていない子などを叱る
前に、あらかじめ教師はグー・チョキ・パーを見せたり聞かせたりしてか
らジャンケンをするのです。

 この「ジャンケン」が〈教材〉の役割を果たしていると言えそうです。
教師が「黒板をしっかり見る」「人の話をきちんと聞く」ことの大切さを
話しても、子どもたちが必要性を感じていなければ、教えても無駄でしょ
う。ジャンケンの勝ち負けという〈学習者〉にとって分かりやすい例を持
ち出して、学習に必要な内容を教えているのです。

 以上、〈教材〉には「模造紙」のような実物もあれば、「ジャンケン」
のような手段もあります。いずれにしても、〈学習者〉が学ぶ必要を感じ
られるような〈教材〉を提示できるかどうかに、授業づくりのポイントが
ありそうです。

■どのような〈教授行為〉が学びの機会を作るのか?

→成瀬陽子さん
 「住育」から学ぶ学習空間
 204号 2012年2月19日発行
 http://archive.mag2.com/0000158144/20120219230000000.html

 成瀬さんによると、「食育」と同じように「住育」、つまり「望ましい
居住空間が人を育てる」という考え方があるそうです。たとえば、間取り
は「田の字」にして「互いの顔や動きが見える空間」が求められます。こ
の「田の字」を教室に当てはめて、「4人グループ」で「自慢の宝物(実
物)を相手に見せながら,宝物の紹介をする」ショウ&テルの活動が紹介
されています。

 ここでは「自慢の宝物(実物)」という〈教材〉が大きな力を発揮しま
す。けれども、「聞き手が自由に質問をし,発表者がその質問に答える」
「付箋紙に発表者へのメッセージを書かせ,渡す」などの交流活動を促す
ためには、「4人グループ」という学習空間も大切です。学習空間を整え
るという〈教授行為〉が、〈学習者〉にとって学びやすい機会を与えてい
るのでしょう。

→佐々木潤さん
 「お笑い」と「協同学習」の相性
 195号 2012年1月29日発行
 http://archive.mag2.com/0000158144/20120129230000000.html

 佐々木さんは「人間関係を円滑にする」お笑いと、「他の子と関わりな
がら学習する」協同学習には親和性があると指摘しています。たとえば、
「グループの目標を達成した時に決めポーズをする」「相手に聞くときに
おネェ言葉を使う」「考えるときに『ガリレオの教授(福山雅治)』のポ
ーズをする」などのネタは効果があるそうです。

 「考える→相手に聞く→グループの目標を達成する」という流れは、協
同学習のプロセスです。このプロセスをスムーズにするための「潤滑油」
が、お笑いです。〈学習者〉にとって身近なポーズや言葉を促す〈教授行
為〉が、協同的な学びの機会を作り出していると言えそうです。

→堀裕嗣さん
 ROUND-1の〈問い〉
 210号 2012年3月2日発行
 http://archive.mag2.com/0000158144/20120302230000000.html

 堀さんは「ワールド・カフェ」のような新しいタイプの活動においても
〈問い〉が重要であると指摘しています。活動が成立するためには「参加
者(学習者)の思考が活性化され、参加者全員が意欲的にテーマに沿った
交流に向かえる、そうした〈問い〉」が必要です。そのため、従来の授業
でも行ってきた「発問研究」のような取り組みが求められると主張してい
ます。

 「発問」は〈教授行為〉の重要な要素の一つです。従来の「発問」は、
いかに教師が教えるかという視点で研究されてきました。今後の〈問い〉
は、いかに子どもが学べるかという視点が必要になるでしょう。つまり、
〈学習者〉の側から〈教授行為〉を捉え直していく研究が求められると思
われます。

 以上、「学習空間」「お笑い」「発問」のような〈教授行為〉について
は、今までも検討の対象になってきました。今後は〈学習者〉自身の学び
の機会を保障できるような〈教授行為〉が行えるかどうかに、授業づくり
のポイントがありそうです。

■〈学習者〉の欲求と必要と機会と

 〈教育内容〉〈教材〉〈教授行為〉という三つのレベルを手がかりに、
チームのみなさんの原稿をふり返ってきました。ところで、残った〈学習
者〉のレベルについては、それぞれのレベルの中で取り上げてきました。
次の通りです。

 〈学習者〉が〈教育内容〉を学ぶ「欲求」を持っているか。
 〈学習者〉が〈教材〉により学ぶ「必要」を感じているか。
 〈学習者〉が〈教授行為〉で学ぶ「機会」を作っているか。

 つまり、〈学習者〉レベルの検討は、常に行われているわけです。〈学
習者〉の視点と何を「ハイブリッド」させるかが、授業づくりの営みのよ
うに思えます。

 教師は学ぶ「欲求」が持てるような〈教育内容〉を選んでいるか。
 教師は学ぶ「必要」を感じるような〈教材〉を準備できているか。
 教師は学ぶ「機会」を作れるような〈教授行為〉を行っているか。

 〈学習者〉に学ぶ「欲求」と「必要」と「機会」とを与えられるような
授業を考えること、それが「学びのしかけ」と言えるのかもしれません。
                *
 最後になりましたが、この1年間、MMを読んでくださったみなさんに
感謝したいと思います。また、お忙しい中、原稿を書いてくださったハイ
ブリッドチームのみなさん、本当にありがとうございました。みなさんの
個性的な原稿を読むのは、とても楽しかったです。でも、それらを整理し
ながら位置づける作業は苦しかったです。書き手のみなさん、読み手のみ
なさんが納得できる「交通整理」ができるよう、これからも研究を続けて
いきたいです。また、どこかでお会いできる日を楽しみにしています。

授業づくりネットワーク誌の最新号
→ http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html
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【編集後記】
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 それにしてもこうして改めて佐内さんに「振り返り」をしていただくと、
ハイブリッド編集委員のみなさんの話題は際立って多岐にわたっていて、
おもしろいですね。人はなぜそのことにこだわるのか。
 昔に比べて教師が一様で画一化しているという声を時々耳にします。で
も、「大丈夫だなあ、日本の教師はちゃんと多様で個性的だ、おもしろい
なあ」と思えます。
 佐内さんには4月から1年間編集委員をお引き受けいただきました。本
当に感謝しています。まもなく、ケーガン氏を迎えての成蹊大学での授業
づくりネットワーク春集会ですね。ぼくは参加できませんが、盛会を祈り
ます。みなさんもぜひご参加ください!
http://www.facebook.com/events/330949470284297/

 次号は、ライフヒストリーチームから、今宮信吾さんと松崎正治さんの
最終回です。
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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
第217号(読者数1893) 2012年3月18日発行
編集代表:上條晴夫(haruo.kamijo@gmail.com)
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編集部ではチームに分かれてMLによって原稿検討を行っています。本メ
ールマガジンの記事を読んでいただいた率直なご意見・ご感想をいただけ
ると幸いです。本メールマガジンの内容に少しずつ反映をしていきたいと
考えています。
 編集長:石川晋
 副編集長:長瀬拓也・加藤恭子・藤原友和・佐内信之
登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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石川晋

Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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