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2017-08

「学級は汗を流して創り上げるものだ」 - 2012.03.17 Sat

 この言葉は、上杉賢士・園田雅春『若い教師が元気の出る7つの提言』(明治図書)の中で、園田さんがおっしゃっている言葉だ。

若い教師が元気の出る7つの提言―教育者としてのキャリアのつみ方若い教師が元気の出る7つの提言―教育者としてのキャリアのつみ方
(2010/03)
上杉 賢士、園田 雅春 他

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 この本の中で、二人が繰り返し言っていることは苦労しなさいということだ。学級は汗を流して創り上げるものだ。という園田の言葉は至言だ。

 私は新卒の日、血へどを吐くような苦労をした。
私の前任者は苦しんで苦しんで…転勤した先で狂死した。
 大変だった。死んでしまおうかと思ったこともある。新卒の死を自分の事実と重ね合わせてイメージできる教師だ(想像力とかそんなきれいごとでなく)と自分で思っている。
 だが、その厳しい環境の中で、もがきつつ掴んだものが今の自分のベースになっているのだ。私は悪しき体験主義の話をしているのではない。結局これを使っていけばなんとかなるなどというものはどこにもないのである。

 Q-Uに一所懸命取り組んでいた頃、中3の生徒の中に、「私はこれ書くの嫌い」と言い放った人がいた。彼女は全ての項目を真ん中の3で書いてくる。「馬鹿にしないでよ」と言われているんだと思った。「職員室で教師相手にこんなことをはじめたら、教師は怒るでしょ?」 そう言われている気がした。万能なものなどない。

 ぼくの危惧はマニュアルからスタートするものはどこからマニュアルを脱して自分を変えられるのかということだ。それは武道や芸術が模倣から入るという話とはどこか違う。長年にわたって培われてきた安定的な型が身につくことで自在を手にいれられる。武道も芸術も模倣から入るのは、そういう確信をスタートに据えられるからだ。

 柔道も剣道も書道も絵画も音楽も……営々と積み上げてきたまさに「不易」の部分をたくさん持っている。というか「不易」そのものだ。
 では、教科教育に学級経営にそれらの「不易」にあたるものがあるか。少し考えれば歴史的に言ってもたかだかさかのぼって明治まで。そんなものはないのである。学習形態も教えるべき内容も(読み書き計算まで含めて)「ない」という結論にしかならない。「学級経営」でいえば、もっと断定的に「ない」。よい教室のイメージなんて、年年歳歳違うのである。社会の要請、教室そのものの構成イメージ……全部変わって行く。まして、春先を乗り切る手法がそのような型として機能するか。ぼくにはやはり、見通しは暗いと思わざるを得ない。

 たしかに乗り切る事は出来るかも知れない。
 だが、結果、多くの教師は、次をほしがる教師にしかならないだろう。子どもを見ていればわかる。葛藤も苦しみも経験せずに乗り切るアイテムを与えられた子どもは、使いきった後は、また口を開けるだけだ。子どもも大人も違わない。

 学級は汗を流して創り上げるものだ。苦しんで苦しんで創るものだ。若い世代に、私達の世代が教えなければならないことは、多分、そのことだ。大学で教えなければならない一番大切な事も、そこだ。

 ぼくはそう思う。
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● COMMENT ●

気持ちよく言ってくれましたね

全く同感です。
だからこそ、作文教育という、個と学級とに対応する教育があると思います。
もちろん、それも万能ではないけれど。
模倣は「まねび」だから成長があります。
だが、マニュアルは教育へ育たないと思っています。

気持ち良く(笑) いや、おっかなびっくり書いてます、多賀さん。

衝撃

今までの自分と、これからの自分を考えさせられる内容でした。


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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
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