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2017-08

堀裕嗣『教室ファシリテーション10のアイテム100のステップ』(学事出版) - 2012.03.16 Fri

 堀くんの学事出版の「10の原理100の原則」シリーズの第三弾である。
 珍しくあとがきにぼくのことが書いてあり、そういうわけで、気をきかせて送って下さった。そんなことされたのははじめてのような気がする。ありがとう。
 若手の編集者と気鋭のイラストレータと堀くんの3名での仕事もこなれたものになってきた。特に、このシリーズが目指しているであろう「リーダブル」で「リーズナブル」というコンセプトは、「ファシリテーション」のイメージと合致しやすい。きっと売れるだろう。

 堀くんがこのシリーズを書く姿勢(態度)は、ぼくには一貫して「啓蒙的」に見える。
 「啓蒙的」であるということは、ちょっと語弊があるけれど、一段高いところにいるということだ。
 ぼくはそのことを責めているわけではない。「一段高いところ」から、かゆいところに手が届くように書いてくれる(掻いてくれる、じゃないよ 笑)人を、たくさんの人が待っているということなのだ、今。
 「教室ファシリテーション」が、堀くんの「言語技術の系統化」の経験とそれをメタ認知した上で生み出されてきたであろう再構成化とステップ化の技法とによって、スモールステップ化されている。スモールステップになじむ多くの教師にとって、この道筋の示し方は訴求力が高い。堀くんは、相変わらず、冴えている。


教室ファシリテーション 10のアイテム・100のステップ―授業への参加意欲が劇的に高まる110のメソッド教室ファシリテーション 10のアイテム・100のステップ―授業への参加意欲が劇的に高まる110のメソッド
(2012/03/05)
堀 裕嗣

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 ところで、ぼくは、ファシリテーションを、スモールステップの上達論で示すやり方に、あまり前向きにはなれない。というか、本当はそうではないだろうと思っている。実際、多分ぼくはこういういい方をしないし、こういう風に書かない(書けない)し、説明もしない(できない)だろう。
 だが、先にも書いたとおり、この方が取りかかってもらいやすかったり、はじめてもらいやすかったりするのだろうと思う。(翻ってぼくは、極めてわかりにくく、極めてとっつきにくく、要するに多くの人には何をしているのかわからないのだろう…某社の編集者に直接そう言われた事がある 笑)。
 まあ、堀くんにしたところで、この本でこう説明しているからといって、それが本質なのだと言っているわけではないのだろう。堀くんは啓蒙的で、また叱られそうだが高踏的なのだ。

 教室ファシリテーションの入門書として、多くの人が手に取り読んでいくことだろう。
 ぼくの周りにも、100人200人という生徒を教師集団を、ワールド・カフェやOSTで機能的に動かしていくことに興味や関心を向けられる教師は多い。そういうニーズは多いと思う。
 ぼくもそうだったらよかったのだが、残念ながら、ぼくはそうではない。だからだめなのだろう(笑)。

 なお、この本ではじめて「ギャラリー・トーク」という手法に触れる人もいると思うので、その点は少しぼくなりに書き遺しておきたいことがある。
 本来のギャラリートークというのは、美術館などにおいて学芸員や作品・作家に詳しい人物(含ボランティア)が展示された作品を解説することを指す。上野行一さんがアメリア・アレナスというニューヨークの学芸員が開発したギャラリートークの新手法を『まなざしの共有』(淡交社)で紹介したのは2001年。ちなみに私が国語科ではじめて取り組んだのはその年の2学期末である。このアレナスの手法が「対話型ギャラリートーク」(対話型鑑賞)と呼ばれるもので、だから厳密には従来型のギャラリー・トークと対話型ギャラリー・トークは、今の段階では明示的に区別した方が無難だと思う。その点堀さんの説明は大枠についてはやや丁寧さを欠いていると思う。ちなみに「対話型ギャラリー・トーク」自体は美術教育の世界においても、取りあげられてまだ数年である。これは山崎正明さんに聴いたのでまちがいないだろう。
 ただ、いずれにしても、それを、FGの「対話型鑑賞」に取り入れるというのは、とてもおもしろい手法であると思う。




Complete Piano WorksComplete Piano Works
(2012/02/09)
D. Shostakovich

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 ペトルシャンスキー、素晴らしいなあ。再認識。
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● COMMENT ●

そんなことは

> ぼくの周りにも、100人200人という生徒を教師集団を、ワールド・カフェやOSTで機能的に動かしていくことに興味や関心を向けられる教師は多い。
 ぼくもそうだったらよかったのだが、残念ながら、ぼくはそうではない。だからだめなのだろう(笑)。


そんなことはないと思います。
名古屋は、ファシリテーションの発祥というか、民間ベースで栄えている場所なので、
僕は「明日の教室」でちょっとわかりにくい、でも大切なファシリテーションの講座をやっていこうと話し合っています。
ファーストフード・・・スローフードならぬ、スローエディケイションです・・・。


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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
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ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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