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2017-08

★学びのしかけプロジェクトメールマガジン198号 佐藤美智代さん「~大人向けアニマシオンの実践をとおして~」 - 2012.02.05 Sun

私が編集するメールマガジンの最新号です。読書へのアニマシオンの佐藤
美智代さんです! → 無料で購読できます。
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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
               198号 2012年2月5日発行
                      (毎週火金日発行)
http://www.jugyo.jp/
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★目次★
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1.~大人向けアニマシオンの実践をとおして~
   「ワークショップ」チーム
     山梨学院付属高校  佐藤 美智代(英語)
      共同提案者     同上     宮川 彩乃 (社会)
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 読書へのアニマシオンの実践報告です。佐藤美智代さんが、同僚の方と
共同開発された和歌のプログラムです。         (石川 晋)
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1.~大人向けアニマシオンの実践をとおして~
   「ワークショップ」チーム
     山梨学院付属高校  佐藤 美智代(英語)
      共同提案者     同上     宮川 彩乃 (社会)
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 短詩を扱うアニマシオンの一つとして大人に向けて行った実践を紹介し
たい。

1.和歌に目覚めるアニマシオン

<『スノーマン』→和歌にチャレンジ>

 社会科の宮川先生が、競技カルタの魅力について教えてくださった。そ
こで、絵本とのコラボによる百人一首を扱うアニマシオンを2回シリーズ
で企画し、その第一回目;『スノーマン』という絵本を遊んでから後半、
10首の和歌にチャレンジした。

○テクスト
Rブリッグス The snowman『雪だるま』『スノーマン』1978年(評論社) 
藤原定家編 「百人一首」より9編
      古今和歌集より1編
 
柿本人麿 あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む
山部赤人 田子の浦にうちいでて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
小野小町 花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに
僧正遍照 天つ風雲の通ひ路吹きとじよをとめの姿しばしとどめむ
文屋康秀 吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ
在原業平 ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは
喜撰法師 わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり
藤原興風 誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに
紀貫之  人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の友ならなくに

伝・和仁 難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花

 ずっと昔、百人一首を学校で習ったが、さてどんな和歌だったかなーと
いう人たちを対象に、特大文字の大判かるたを用意して、一首ずつ上記の
10編を味わう作戦を考えた。


<まずは『スノーマン』>

○手順
・全くせりふの無い絵本『スノーマン』を各自黙読する。
・「漫画」「絵本」どのジャンルに分類できるかを問いかける
・自己紹介後、すべての絵本に前もって貼っておいた付箋(五か所)の
  部分に集中を促す。
・「この音が聞こえますか?」という遊びをすると伝える。
 遊び方は・・・
  どんな【音】が聞こえるか、吹き出し型の厚紙に【音】を書いてもら
  う。その【音】はどの場面のものか言葉で説明し、厚紙を他の人たち
  に見せる。
・『スノーマン』のストーリー全体を踏まえて、【ゆきだるま】と【男
  の子】を何かに喩えてみようと促す。どんな発想でもよいと強調する。 
・各自に紙を配って、“何”に喩えたかを書いてもらって発表する。 
 ストーリーの要約・・・
  夜の12時に、昼間作った雪だるまが気になって少年は外に出た。雪だ
  るまは命を得て少年と二人で大人に気づかれないようにいろんな遊び
  をする。たくさん遊んだ後に手を取り合って空へ飛び立つ。近所の家
  家や森、海を飛び越え、極北の地へ向かう。自宅へ帰ると玄関先で雪
  だるまと別れ、少年は眠りにつく。翌朝目覚めて、雪だるまの元へ走
  るが、そこに見たのは溶けて消えた雪だるまの跡であった。(後ろ姿
  だけが描かれ、顔の表情は見えない)

 前半の解説: 何にでも譬えられる、即ち解釈が自在という絵本の本質。
  『絵』の細部を読むと、見る人によって全く違う心象を抱くことがあ
  る。『スノーマン』には、せりふがないが感情がないわけではない。
  絵本には、意味や論理を【絵】に落とし込むというルールがあって、
  言葉で物語られていないだけ。だから様々な感情を【絵】から読み解
  くことができる。それは、和歌が31文字という(字数制限)ルールに
  縛られることで、底知れぬ表現力を得るのに似ている。『スノーマン』
  の奥深い感情を言葉にした経験を踏まえて、和歌の言葉を読み解こう
  といざなう。

<次に百人一首・・・「歌から音が降ってくる」(未刊行 和歌のために
創作した作戦)>

○手順
・読み札、取り札、特大カルタの絵札を紹介して、じっくり見たり 読む
 時間をつくる。それから 特大文字で書かれた10首だけを並べなおす。

・2人一組になる。  ※ゲームは一組ずつ行う。周囲は、二人の動向
 を見守る
・一人が、一首を心の中で選んで【音】を付けて、もう一人に伝える。
 聞き手はその【音】が、どの首に付けられたものか当てる。
・発表する人と聞き手を交換する。
・終わったら次の組に交代して、以上を全組が行う。
・紀貫之「仮名序」の話をする
   やまとうたは ひとのこころをたねとして よろづのことのはとぞ
  なれりける 

<準備するもの>

1.手作り大判和歌かるた札 10枚(堅い画用紙に筆ペンで10首を書き、
  緑の模造紙でかるたの周囲を縁取りし、各一枚に鹿、桜、梅、山鳥、
  富士山 その歌のシンボルを手で描いた)
2.『スノーマン』『雪だるま』(タイトルは異なるが同じ内容)評論社
  10冊  R・ブリッグス作
3.古今和歌集 仮名序文   
4.吹き出し型厚紙
5.「スノーマン」から連想する言葉やものを書く紙 B4 10枚
6.マシュマロ。 クッキー(実際食べて、サクサク、パリパリ以外の音
 が出ることを体感する。特にマシュマロを噛む音は、新鮮な驚きを伴う
 音である)
7.かるた札、読み札、取り札(百人一首として売られているもの) 

<第一の遊び:「この音が聞こえますか?」(絵本の中から五か所選んで
おいた)>

1.極北の地の上空を飛ぶ二人
  A.ピュー  B.ピューン ゴー
2.桟橋で夜明け(別れ)が近いことを知る
  C.しらしらしら
3.積雪の玄関前で名残を惜しむ(別れる)
  D.サク サク サク(雪を踏む音)
4.ベッドの中で雪だるまを思い出す場面
E.ハッ!  F.ピ~ンキラキラ 
5.解けたスノーマンとそれを見た少年
  G.ピチョッ(涙) H. シュルシュル(流れる水)

<第二の遊び: 「スノーマン」は何に譬えられるか?>

 はじめにアニマドールが例を示した。 
 例;少年とスノーマンは、調理、着せ替え、車の運転や天翔ける体験と
いうあり得ないほど便利で快適な遊びを楽しんだが、最終場面では解けて
しまった。メルト・ダウン(溶融)した“原発”に譬えられるかも。
                         
  A:ドラえもん:夢、希望、はかなさ、あわい、イマジネーション; 
   一時夢見たものは失われて幻想となる。空を飛ぶなんて、この少年
   は小さいからやってみたいし、できないからこそ一瞬のときめきと
   言える。
  B:“トトロ”のメイちゃん;Aさんとは、真逆の捉え方。自己実現の
   話しだと思うので、可能性の扉を開けろよ!  夢だけど、夢じゃ
   なかった。やっぱり本当だった! 
  C:境界線、境目:本来雪を室内には入れられない。入れたら,境界
   を侵すことになる。  
  D:芸術家の目: この子は、スノーマンに導かれて、今まで地上で
   は見たことのないものを見させてもらって思い出を残した。こんな
   きれいなものがあるんだ! きれいなものもあるけど、現実はもう
   ちょっとちがうよ。
  E:秘密;二人の遊びは誰にも見られてないから秘密。僕だったら「
   こんなスノーマンがいるんだ!」と自慢する。最後溶けてしまった
   ので信じてはもらえないし、自分でも信じられないかもしれない。 
  F:いろんな選択肢:自分っていろんな選択肢があるよ。雪の中での
   淡々とした世界。上(天空)からそれを見た時、こんな風に見える
   んだとか、ワクワクしてきたことを想像して世界を拡げてゆく。雪
   って何もない状態。そこから生まれてくる。
  G:夢の始まり:入れ歯やめがねなど小道具を見る限り、少年の家族
   とは父母の年齢よりも祖父母に近いのでは? 写真が飾ってあるけ
   ど、子どもの写真というより孫の写真みたいだから。雪の深さと、
   足跡のアンバランスも変だ。現実離れしている。吹雪はあるけど、
   このお話の最初からが 夢の始まりではなかったのか? 他に兄弟
   がいないという設定だから、一人っ子で孤独な存在なのかな。弟分
   のようなスノーマンに、いろいろ教えてあげた。最終的に雪だるま
   は解けちゃうけれど、この先男の子は、今までの自分とは違う。男
   の子が雪だるまに洋服を着せてあげたとき、父親の服を着せたとい
   うのは身代わりにしようとしていたのかな?
  H:大好きな、ちょいとオバカのお兄ちゃん:お利口な弟と 対照的
   なお兄ちゃんとの関係を楽しんでいる二人。それは、二人とも生活
   体験がないから。
  I:日曜の夜と月曜の朝。この男の子、いじめられてはいないと思う。
   が、決して人から嫌われているわけじゃないのに、自分が疲れてし
   まうタイプの子では? 雪だるまみたいな友達があったらいいのに。
   いずれ将来にかけて、いろんな友達ができれば・・。スノーマンが
   解けた状態を月曜の朝に。二人が遊んだのを日曜の夜に。
  J:謎の転校生 来ていなくなっちゃった。とか、いつのまにかいな
   くなった転校生。でもぼくらの友情は、育くんだよね~・・・。
  K:ちょっと大人しい子 兄弟にも友達にも父にもそういう大人しい
   タイプの人がいる。男の子がスノーマンに父親の服で着せ替え遊び
   をしたのは、父親の投影か?

<参加者から出た気付き>
 第二の遊びで、わかったこと。作戦53『よく見る 見える』の目的;
絵をじっと見る観察力;を引き出す遊びだということが参加者の発言から
見えてきた。それだけでなく、心のひだに隠された細かい感情をも読みと
らせる遊び。


<補足>

 第三の遊びについては、次回 3月に入稿予定。

 短詩としての和歌に目覚めるアニマシオンシリーズ第二回目
 2月24日甲府於

 “チーム対抗 「その歌を弁護します」”の展開と合わせて報告予定。
 ご参加希望の方は、メールで佐藤までお申し出ください。対象は子育て
中の親ならだれでも。
1.場所 ちびっこはうす保育園
2.主催 NPO法人 子育て支援センター ちびっこはうす
3.所在地 / 〒400-0831 甲府市上町1246
電話 / 055-241-7521
FAX / 055-267-6987

授業づくりネットワーク誌の最新号
→ http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html
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【編集後記】
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 「和歌のアニマシオン」。記憶がありません。初めての試みではないで
しょうか。古文の物語を使ったアニマシオンは、「古典ダウト」などをし
たことがあります。これは、ほとんどお笑いみたいになってしまいました。
たのしかったですが。佐藤さんにおうかがいすると、モンセラット・サル
トさんは読書へのアニマシオンは「こどもの主体性」と「遊び心」を大事
にするのだと語っておられたとか。和歌で遊ぶ。絵本と組み合わせて、私
達の国の直面する問題とも重ね合わせて「遊ぶ」。読書へのアニマシオン
の真骨頂というところでしょうか。
 2月24日の参観も可能とのこと。お近くの方、ぜひご連絡を。

 次号は、ライフヒストリーチームから吉永紀子さんです!
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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
第198号(読者数1853) 2012年2月5日発行
編集代表:上條晴夫(haruo.kamijo@gmail.com)
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ると幸いです。本メールマガジンの内容に少しずつ反映をしていきたいと
考えています。
 編集長:石川晋
 副編集長:長瀬拓也・加藤恭子・藤原友和・佐内信之
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石川晋

Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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