topimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimage

2017-08

★学びのしかけプロジェクトメールマガジン193号 江間史明さん「「いのち」の授業における生徒の困惑と問題解決」 - 2012.01.25 Wed

私が編集するメールマガジンの最新号です。今号は江間史明さんです。
→ こちらから無料購読できます。

こちらの仕事も一応のゴールが見えてきました。
3月末で私の編集は終了です。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
               193号 2012年1月24日発行
                      (毎週火金日発行)
http://www.jugyo.jp/
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
★目次★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.「いのち」の授業における生徒の困惑と問題解決
「ワークショップ」編集委員
                       山形大学 江間 史明
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 江間史明さんの登場です。江間さんも今回で連載はひと区切りとなりま
す。最終回は、ご専門の社会科を少し離れ、「いのち」の授業についての
分析をご紹介くださいます。              (石川 晋)
------------------------------------------------------------------
1.「いのち」の授業における生徒の困惑と問題解決
「ワークショップ」編集委員
                       山形大学 江間 史明
------------------------------------------------------------------
 今年度の授業研究のシーズンが終わりつつある。1月までで90コマほど
の授業を各学校で参観して学んできた。改めて、授業の基盤は、子どもた
ち一人一人が問題解決の活動に取り組むことだと感じている。今回は、社
会科を離れて、印象に残った授業の事例から考えてみたい。

1 「いのち」の授業(中学1年)
 担任の先生と養護の先生とのティーム・ティーチングの授業である。受
精のことを学んだあとで、へその緒が教材だった。
 はじめに教師は、へその緒が母親と胎児を結ぶ管であることを、赤ちゃ
んの人形と管で簡単に説明。そして「へその緒をながれる血は誰の血だろ
う」と問いかけた。
 一瞬、生徒が不思議な表情になる。血液型が子どもと母親で違う場合が
あるからである。「誰の血か」という教師の再度の問いかけに、生徒は考
えられるパターンをあげて説明していく。母親、父親、母親と胎児の両方、
母と父の両方、胎児、祖先(?)という具合である。ここで、胎児と母親
の関係を、酸素や栄養、老廃物の流れでたどれば、父親という選択肢は考
えにくい。父親と胎児はつながっていないからである。しかし、父親とい
う選択肢を加える生徒は7~8人いる。受精のときに、父親の精子を受け継
いでいることや、血液型が子どもと父親で同じということがひっかかって
いる。生徒は、自分と家族の関係のなかで考えているのである(なお、祖
先は、教師の判断で選択肢の枠に加えなかった。子どもの発言すべてに教
材性が同じようにあるわけではない)。
 パターンがでた後、一人一人が自分の考えをノートに書く。その後、4
人グループで交流する。
「お母さんの血だろう?」「自分と母はO型、妹と父はA型、だから両方?」
という声が聞こえる。生徒の困惑が深まる。5分後、分布をとると次の通
り。母親の血:5人、父親の血:0人、胎児の血:6人、父と母の血:9人、
母と胎児の血:12人。
 教師が反論を促すと、3人が発言。その後、「困った時のA先生」と紹
介されて養護の先生が登場。先生が、へその緒の血は、胎児の血と示す。
そして、酸素や老廃物が母親と胎児の間でどう動いているかを説明する。
生徒から、「自分の血なんだ」という声があがる。生徒は、母親と血液型
が違ってよいことに安心しつつ、次のように、ふり返りで書く。
「胎児だということがわかって、胎児自身も自分の力で血液などを取って
いて、だから[血液型が]母親と違う人もいるんだとわかった。そこで人は
生まれる前から自立していて自分で自分の命をつないでいるとわかった」
([ ]は江間)
 授業の最後に、生徒が「自分の血」「自分の命」と受け止めていること
が印象に残った。
 
2 この事例から学べること
 第1に、へその緒の知識は、教材であることについて。この授業で最初
から、教師がへその緒の機能を、図を示して説明すれば、5分程度で終わ
るだろう。だが、その知識を説明するだけでは、生徒が困惑することもな
く、自分の命について考えを深めることもない。教師の仕事は、1.へそ
の緒に生徒を出会わせ、2.生徒に自分の思いを率直に語らせて「問い」
への困惑を深め、3.学んだ内容で自分の「いのち」についての見方を更
新させることにある。先に引用した生徒のふり返りで言えば、前半部分で
終わらず、後半部分にまで思考がのびることが大事なのである。
 第2に、交流の場の機能について。この授業では、一人一人が「へその
緒の血は誰の血か」を考えた上で、「はっきりしない」という困惑を共有
する場になっている。最初から教師の示す情報も限られているから、当然
の生徒の受け止めであろう。困惑するから、なんとか「はっきりさせたい」
という一人一人の問題解決的な思考が始まる。このような交流の場である
から、各グループから、意見を発表させる必要もない。教師の設定する内
容と課題設定との関わりで、相互交流のあり方は変わる。重要なのは、相
互交流の場面が、子どもたちが取り組む問題解決的な思考の文脈に埋め込
まれていることである。

授業づくりネットワーク誌の最新号
→ http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html
------------------------------------------------------------------
【編集後記】
------------------------------------------------------------------
 江間さんにも、前号の青山さん同様、このプロジェクトの立ち上げ当初
から関わっていただきました。毎回豊富な授業参観の中からご紹介いただ
く実践例に、私自身が「困惑」し「見方を更新」しています。これまで私
達が目にする授業記録というのは、すぐれた授業技術によって見事に生徒
を決められたゴールに導き落とすものが主であったと感じています。江間
さんがご紹介くださるものは、いつも、そうした文脈とは違って、学び手
につまづきや戸惑いの発生する場面や課題に焦点を当てたもので、私自身
の授業観の「更新」をも迫るものでした。今号の原稿にも引きつけられま
した。

 次号は、久々にプロジェクトリーダー上條晴夫さんの登場です。どうぞ
お楽しみに! 
==================================================================
メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
第193号(読者数1826) 2012年1月24日発行
編集代表:上條晴夫(haruo.kamijo@gmail.com)
twitterはこちら⇒ http://twitter.com/#!/gbc02527
Facebookはこちら⇒ http://www.facebook.com/haruo.kamijo
編集部ではチームに分かれてMLによって原稿検討を行っています。本メ
ールマガジンの記事を読んでいただいた率直なご意見・ご感想をいただけ
ると幸いです。本メールマガジンの内容に少しずつ反映をしていきたいと
考えています。
 編集長:石川晋
 副編集長:長瀬拓也・加藤恭子・藤原友和・佐内信之
登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html
==================================================================
スポンサーサイト

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://suponjinokokoro.blog112.fc2.com/tb.php/1180-09bf1ab2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)☆第3028号☆■「読み聞かせる教室づくり」(19)石川晋(北海道) «  | BLOG TOP |  » 村田栄一逝去の話に関わって

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター

最新記事

プロフィール

石川晋

Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

月別アーカイブ

最新コメント

カテゴリ

未分類 (50)
教育 (2155)
音楽 (259)
雑記 (341)
映画 (13)
読書 (31)
美術 (12)
研究会等 (10)
自然保護 (9)
CD&DVD (0)
育児 (30)
自然 (82)
対話 (7)
思考 (36)
演劇 (4)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QRコード