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2017-08

★学びのしかけプロジェクトメールマガジン190号 長瀬拓也さんと藤原顕さん「実践経験からの教師の成長論──長瀬・藤原ライフヒストリー・インタビュー(4)」 - 2012.01.18 Wed

私が編集するメールマガジンの最新号です。長瀬拓也さんと藤原顕さんです。
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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
               190号 2012年1月17日発行
                      (毎週火金日発行)
http://www.jugyo.jp/
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★目次★
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1.実践経験からの教師の成長論──長瀬・藤原ライフヒストリー・イン
  タビュー(4)
「ライフヒストリー」編集委員
               岐阜県中津川市立中学校  長瀬 拓也
                    福山市立大学  藤原  顕
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 長瀬さん、藤原顕さんの研究ぺアによる三回目です。
 一回目はこちら。
 http://archive.mag2.com/0000158144/20110715230000000.html
 二回目はこちら。
 http://archive.mag2.com/0000158144/20110930230000000.html
 三回目はこちら」
 http://archive.mag2.com/0000158144/20111113230000000.html
 以前のものと、つなげて読んでいただくと、一層理解が進むかなと思い
ます。ではじっくりお読みください。          (石川 晋)
------------------------------------------------------------------
1.実践経験からの教師の成長論──長瀬・藤原ライフヒストリー・イン
  タビュー(4)
「ライフヒストリー」編集委員
               岐阜県中津川市立中学校  長瀬 拓也
                    福山市立大学  藤原  顕
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 MM誌上ライフヒストリー・インタビュー、今回は長瀬・藤原チームの第
4弾です。
 これまで、3回、「教師になるための学び」(ML115号)、「新人教師
としての格闘」(ML146号)、「若手教師の成長」(ML165号)というテー
マで、長瀬さんの教師としての成長過程を追ってきました。最終回の今回
はまとめとして、長瀬さんの現時点における教師観や実践観を巡る対話を
紹介してみたいと思います。(藤原)

【活動のある授業か学力保障の授業かのジレンマ】
藤原:まとめとして、長瀬さんが『失敗・苦労を成功に変える教師のため
   の成長術』(黎明書房、2011年)の中で書かれている、教師の成長
   論を巡って話を進めてみたいと思います。本の内容から、“固定観
   念を崩そう”という若い教師に向けてのメッセージと読み取れるの
   ですが、それは長瀬さんの経験から来ているものですね?
長瀬:いわゆる教師至上主義というか、とにかく先生が全部やらなくては
   いけないという発想ですね、1人で頑張らねばというとらわれ、こ
   れに関わるメッセージです。子どもに任せるところは任せて、失敗
   したら一緒にやっていけばいいというように。
藤原:そうした若い教師へのメッセージですが、私には、若い教師の失敗
   をしたくない症候群というか、そういう傾向があると思えるのです
   が。
長瀬:僕がそうでした、失敗が嫌でしょうがなかった、怒られるのが怖い
   んですね。
藤原:長瀬さんが本の中で強調しているように、失敗こそ学びのチャンス
   なのだと言えるでしょうが。
長瀬:たとえば授業観ですが、教師が話して子どもが聞くという授業観し
   かないと、子どもが聞くことができないと観は崩壊しますよね。高
   校や予備校での授業で教師がズーっと話している授業があって、そ
   こで身に付く授業観があるんじゃないかと思います。だから、それ
   だけではない授業観を身に付けておくことが大事です。僕の場合、
   たとえば学生時代、海外研修でハワイの学校に行って、活動が多い
   授業を見たことが印象に残っています。
藤原:アメリカ的な活動中心の授業ですね。
長瀬:でも、今の僕の悩みは、活動がある授業が学力保障に繋がっていく
   んだろうかという点。新卒で小学校6年間の後、中学校へ移って今
   2年目で教科は社会科ですが、生徒の学力が厳しいという現実に向
   き合っています。小規模校で生徒は100人ぐらい、学年1クラスで問
   題行動もなくはないけど他校に比べれば圧倒的に少なくて、子ども
   は安定しています。学校と保護者との関係もよく、古い地域で共同
   体的なものが残っている学校です。初めての経験だけど、学力保障
   が求められるんですね。高校受験のための基礎基本をきっちりとい
   う感じで、パワーポイントを使って授業をやっていますが、「ここ
   がポイントだよ」と塾に近い感じです。
藤原:そういう授業をしなくてはいけないのは、違和感ないですか?
長瀬:それは多少あります、教科書中心でキチキチと教えて、ノード指導
   をやってという、非常に地味な高校受験に適した授業ですから。
藤原:その点は、授業づくりネットワークが今進めている路線とは、少し
   異なりますね。ネットワークが提起してきた実践が、基礎・基本の
   学力保障に繋がるのか否かというのは論点になるでしょうが、長瀬
   さんの現在の実践のように、高校受験のための学力保障に繋がるも
   のがネットワークで示されているかというと、距離があるのではと
   思います。
長瀬:ただ、以前に取り組んだ「詩のボクシング」のような協同学習は、
   僕の中では実践のコアになるものです。そういう意味で、授業づく
   りネットワークにはコミットしていますが、ちょっと不安もありま
   す。

【書くことを通した教師としての成長】
藤原:では、ネットワークに関わったきっかけは?
長瀬:文章(実践論や実践記録)を書きたくて参加していったんです。
藤原:長瀬さんを見ていると、書くことを通した自己表現への意欲がすご
   く強いと思えますが、どこから来ているんですか?
長瀬:確かに強いです。昔から書くことは好きだったんです。子どもの頃
   から作文は得意で、(生まれ育った土地で、生活綴方の伝統がある)
   中津川とか恵那で文集に作文を取り上げられるということは、子ど
   もとしても誇らしいことでした。自分は書ける方だという認識があ
   って、小学校の頃夜7時まで学校に残って作文を直していたことも
   ありました。それから、大学受験の時に小論文指導を受けていて、
   その時に書いた文章が朝日新聞の読者の声の欄に載ったことがあっ
   て、それで味をしめた感じ、自分の文章が活字になることの快楽を
   覚えたといったところです。
藤原:少し話を戻すと、たとえば新人の大変だった時ですが、その時はと
   ても自分の実践について書く余裕なんてなかったですよね?
長瀬:でも書いていました。夏休みとかに、これまで出した本(『若い教
   師のための読書術』ひまわり社、2009年)などは、その時に書いて
   いたものが元になっています。大学4回生の時に、吉永幸司先生(
   京都女子大学教授)の勧めで、雑誌の『教育技術』(小学館)に新
   人の実践の大変さを1年間、あの大変な状況の中で書く機会があっ
   たんです。書くことでストレスを発散できたと言うか、普通は書い
   てる場合じゃないんですけど。『読書術』の後半に入っている文章
   で、新人教師を対象とした実践記録の懸賞論文に応募したら当選し
   たんですね、賞をもらったんです。次の年から『教育技術』にはち
   ょこちょこ書くようになって、雑誌に書くことが僕の中では楽しみ
   になっていたんです。でも教師になって4年目に岐阜に帰ったら、
   編集者と会って話しするとかいう機会がなく、雑誌に載せる機会が
   なくなってしまいました。どうしようかなと思っていたら、『授業
   づくりネットワーク』に書く機会が見つかって。岐阜県の官製の実
   践記録募集にも応募したこともあるんですが、なかなか評価される
   ことはなくて・・・。もっと書きたい、研究したいという思いは強
   く、大学院での研修も実は考えています。

【教師の成長論における身体の問題とマネジメント感覚】
藤原:『成長術』では、教師の技術論だけではなく成長論をという発想が
   主張されていますが、一体どこから出てきたのでしょうか、それ以
   前の『読書術』では述べられていないようですが?
長瀬:技術論の対局は何かなと考えていて、この本(『成長術』)を出す
   時に、ビジネス書をたくさん読んでいて、その中で「人として成長
   する」とか「自己啓発」といったことがよく出てきてたんですね。
   そういうのを踏まえて、技術論から成長論へという発想が生まれた
   のと、それから中学校に変わって剣道を久しぶりに始めたこともき
   っかけです。剣道では、メンタルな面、気持ちの持ち方や剣道への
   構えを教えた方が、生徒は成長するし強くなるんですね。技よりは
   観を教えるという感じなんですが、この点は生田久美子さんの『
   「わざ」から知る』(東京大学出版会 、2007年)等の身体論、「
   わざ」論の影響もあるかなと。
藤原:その点に関わって、『成長術』では教師にとって体調管理の重要性、
   体調を整えるとかリズムが大事とか、教師の身体の問題への関心、
   身体論的な観点が見出せます。
長瀬:そうした身体とか、感覚の問題への関心は確かにありますね、斎藤
   孝さん(明治大学教授)の本が好きなので、メルロ=ポンティ(フ
   ランスの哲学者)とか少し読んだこともあって。技だけでなく、そ
   れを使う人の心と体の問題への関心というか。
藤原:では、たくさん技術を身に付けてという発想は、長瀬さんはあまり
   強くない?
長瀬:スマートさというかシンプルさを重視するというか、そういう発想
   は確かにありますね。教師が自分の感覚とか身体性をどう自覚して
   いくか、どう創っていくかということは、教師がいろんなものに出
   会って対処していく時に大事なのではと。たとえば、保護者と付き
   合う時とか体が向き合うという面があるし、保護者に今連絡を入れ
   ないと気持ちが悪いとかという判断には、感覚的なものが効いてい
   て。優れた実践家はそういう身体性が高い人だと思うんですね、世
   阿弥の『風姿花伝』(能の理論書)が言うところに何か近いものが
   あるなと。
藤原:『風姿花伝』的な世界は好みなんですか?
長瀬:そう、若い内は花があるとか、教師も年相応に何かを身に付けてい
   くといった発想ですね。
藤原:そうすると、とにかく目の前のことを技術に頼って何とかするだけ
   でなく、キャリアのこの段階だから何を身に付けるというように、
   ヴィジョンが出てきますよね。長瀬さんの場合も、さっき大学院の
   話が出てきましたが、ヴィジョンを持って動いている感じがします
   が。
長瀬:それに加えて、教師にはマネジメントという考え方が大事だと思う
   んですが、たとえばドラッカー(アメリカの経営学者)は自己更新
   の重要性を言い、また自分の強みを生かせとも言いますが、そうい
   うマネジメントをキーワードとして、教師としての実践、学級経営
   における経営戦略といったものが、学術的な研究テーマになってい
   けばいいなと思います。
藤原:それは長瀬さんにとって実践を含め大きな研究テーマ?
長瀬:そう、そういうテーマを将来的にはきちんと研究できるようになり
   たいですね。

藤原のコメント
 4回の誌上ライフヒストリー・インタビューを振り返ってみて、長瀬さ
んの現在までの教師としての成長を支えたのは、読むこと(読書)と書く
ことだという点(おそらくご本人も同意されるでしょうが)、あらためて
確認できた感じです。第2回目で取り上げた新人教師としての格闘の時期
も、一面では実践を書くことを通して切り抜けられたと言えるでしょうし、
また読むことで実践経験を分析的に振り返る視点が形成されてきたと思え
ます。
 今回のインタビューの内容は、これまでとは少し異なり、やや話が抽象
的になっている感があります(そのため【】で見出しを示しました)。た
だ、ライフヒストリーを巡る対話では、実践に関わって経験された具体的
な出来事の語りとその意味付けの段階を経つつ、ライフヒストリー全体を
俯瞰して、語り手と聞き手の間で教育論、教師論、授業論といった論が交
わされる段階に至ることが、私のインタビュー経験からも多いようです。
つまり、共同で実践の物語を紡ぎ出す局面から、その物語を手掛かりに論
を深めていく局面へという展開が、ライフヒストリー・インタビューでは
生じると考えられます。

長瀬のコメント
 藤原先生との対話を通して、一つの実践や経験が、だんだんと僕が考え
ていること、つまり観につながっていく過程がありました。これは、とて
も興味深く、ライフヒストリー・インタビューを通して、話すこと、また
それを文面にすることで自分の考え方がはっきりしていくことができまし
た。教師としての成長には僕はキーワードがあるとこのインタビューを通
して学びました。僕の場合は、【読む】【書く】でした。他の先生であれ
ば、どうなるのだろうとすごく興味がわきました。また、こうした研究に
携わってみたいです。

授業づくりネットワーク誌の最新号
→ http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html
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【編集後記】
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 今回でお二人のインタビューも一区切りということになるでしょうか。
4回にわたってのロングインタビューに本当に感謝しております。長瀬さ
んは新刊が出ました。長瀬さんにとってははじめての教科教育の本になり
ますね。
 『誰でもうまくいく-普段の楽しい社会科授業のつくり方-』(黎明書房)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4654018670/

 次号は、編集長の私(石川晋)の執筆回になります。あれやこれやと書
きたいことも出てきました。 
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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
第190号(読者数1821) 2012年1月17日発行
編集代表:上條晴夫(haruo.kamijo@gmail.com)
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編集部ではチームに分かれてMLによって原稿検討を行っています。本メ
ールマガジンの記事を読んでいただいた率直なご意見・ご感想をいただけ
ると幸いです。本メールマガジンの内容に少しずつ反映をしていきたいと
考えています。
 編集長:石川晋
 副編集長:長瀬拓也・加藤恭子・藤原友和・佐内信之
登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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