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2019-12

千歳北斗中の山崎正明さんの授業を終日見せていただく2011.12.19 - 2011.12.21 Wed

2011年12月19日月曜日
北海道・千歳市立北斗中学校に、山崎正明さんの美術の授業を見に行きました。
6時間のうち5時間目だけが空き。後は全部授業が入っており、それを公開してくださいました。

1時間目が1年生。自画像。
2時間目が2年生。対話による鑑賞(対話型ギャラリートーク)
3時間目が3年生。卒業制作のためのプレゼンテーション
4時間目が2年生。「あかり」の授業
5時間目が空き。
6時間目が3年生。卒業制作。

私のために、授業の時差をつけてくださり、今取り組んでいることの総体が見えるようにしてくださっていました。
終了後、1時間ほど、次々と放課後の時間に部活と折り合いをつけながら作品製作に来る子ども達の様子を拝見しながら、二人で振り返りをしました。年齢も教科も、活動してきた場所も違う二人が、お互いの現在位置を確かめながら、たしかな信頼感を醸成するのに十分な一日でした。

先日の岩瀬さんの授業参観で、私は「感動はない、確信がある」とたしか書きました。
山崎さんの美術の授業参観では、実は感動がありました。

3時間目です。

この時間に山崎さんがしたことは何かというと、プレゼンテーションソフトを活用した「卒業制作」に向けてのプレゼンです。山崎さんはいつものベストを脱いでジャケットに着替えます。つまりオフィシャルなのです。
最後に5分強の時間を残しただけで、全て山崎さんがプレゼンをするのです。
まず、アンドリュー・ワイエスが父を亡くした後描いたという作品からスタートし、ワイエスがその作品について語った感動的な文章を読み上げるところからプレゼンは始まります。そして、山崎さん自身がなぜ美術教師を志したか、そのきっかけになった作品をはじめ、様々な作家の作品を紹介しながら、連綿と続く美術の歴史を説明していきます。つまり、その表現の歴史の先端に子どもたちがいるということを、なんとしても明示的にしようとするわけです。
そして、後半は、一人一人がかけがえのない存在であること。主体的な唯一無二の表現者として、長い歴史の中にいる存在であることを、本気で1時間語り続けるわけです。
美術は年間35時間しかありません。その1時間を、まるまるぶっつぶしてでも、山崎さんが、語らなければならない切実さ。もとは2時間で語っていたという密度の濃さを、時数減に伴って泣く泣く1時間でやっているという…。
まさに、「価値のインストラクション」です。
山崎さんは、私が立っている側に立っている実践者でした。孤独に立ち続けていた私の仲間がここにもいらっしゃった、と感激しました。

各授業とも、圧倒的でしたが、もう一つあっけにとられたのは、授業の構造が、徹底した「ミニレッスン」+活動+振り返りになっていることでした。つまり、「ライティングワークショップ」と同じ構造です。
そして、山崎さんは、一人一人に対して、また全体に対して、「プロならこうする」「アーティストのようにかっこよく作ってほしい」と再三言うわけです。つまり、「作家」になるということです。山崎さんの美術の授業は「作家の時間」なのです。

6時間目の3年生。卒業制作に取り組む姿は圧巻でした。価値のインストラクションが圧倒的に効いている。5時間目が終わった後、「イナゴのようにやってきて(山崎 談)」「猛烈に活動して、イナゴのように去っていく」。「片づけをきれいに」とかさせてる時間が惜しいんで、といって、机を拭いている山崎さんは、これもぼくと同じだなあと思いました。子ども達の姿を見て「幸せな子ども時代を過ごしている」と実感できました。ただし、多分美術室の中だけなのです。この部屋を出たら、また能面のような表情ですごさなければならない子ども達がたくさんいる…。どうすればいいのだろう、とも思います。ぼくが自分の教室で直面している問題ととても近しい問題だと感じました。

対話型ギャラリートークは、「風神雷神」を別室で、ろうそくをたいて見ました。おそらくかつてはこのような暗さ・場所でみたはずだから、と。
「対話」自体は、実は期待したほどははずまなかったのです。15分で切り上げました。
 しかし、その後の振り返りがすごい。ワークシートに15分程度、ゆっくりびっしり感想を生徒は書くのです。
 実はギャラリートークの最中に、終始うつむき加減の生徒が一人いて、ぼくはその子がとても気になっていました。しかし教室に戻ってきてからの振り返りで、その子は猛然と書き続けるわけです。冒頭の一節は「存在感に圧倒されました」でした。つまり彼女は作品との出会いに衝撃を受けていたわけです。
 活動の最中の子どもの心の動きを知ることはまず難しい。やはりこのように丁寧に感想をまとめるなどの振り返りが必要なのだとあらためて思いました。
 また、美術室に戻った後、山崎さんは、画集を4ないし5人のグループに人数分配付して、ステキな絵をみつけるという活動を設定していました。そして最後に対話型鑑賞の感想を山崎さんが選んで読んでいくわけです。ぼくなら、この感想読みは、画集を配付する前に行うと思ったのですが、あさはかでした。最後に持ってくることで、授業全体の構造が完結するわけです。

1時間目の自画像では、二列をぐるっと回る形で、自画像を、「手紙回し回覧」しました。これも、ぼくと同じことをして、交流を図っていることに感激しました。全く別々の場所で実践を積み上げてきたのに、同じようなことを本気で考えている人がいるというのは、本当に不思議でうれしいことです。

 山崎さんの授業で特徴的なのは、例えば教室後方のたなに大量の本があること。それは画集などが中心だけれど、実は各教科の資料集や問題集もあったりする。実際子ども達はそれらのもの自在に読んで、作品に生かしていくわけです。

 また、机(グループ)に、大きなトレイに入れた多様な画材が用意されていて、それは机をつけた真ん中に配置されている。まさに学びのしかけ。手元に画材があることで、使ってみたいという気持ちになる。ライティング・ワークショップとこの点も近しいと思いました。

 山崎さんは子ども達が活動している時、ずうっと「おもしろいね」「すごい発明だな」と、そんな独り言をぽつぽつとつぶやいています。間違っても「天才」(笑)なんてことは言わない。つまり山崎さん自身がおもしろがりであり、子どもたちが豊かな時間の中で、様々な手法を「発明」していくことを、なによりもおもしろいと感じる感覚の持ち主でした。

 一日だれかに授業を公開し続けるというのは初めてだそうです。
 ぼくたしか7年前にはじめて行ったのですが、一日を見ていただくということは重要です。
 そして、山崎さんは本気なんだということもよくわかりました。

(とりあえず、ここで一度手を休めます。)

雑駁ですが、伝わるでしょうかね。
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● COMMENT ●

ご報告ありがとうございました。とても良く伝わります。

「この部屋を出たら、また能面のような表情ですごさなければならない子ども達がたくさんいる…。」

私が切実に直面している現実でもあります。追記、楽しみにしています。

すごいな

このように、授業を公開できるというのは、とてもうらやましい限りです。やってみたい・・・
でもこわい・・
お話をする機会はあっても、山崎先生の生の授業に触れたことはありません。
それ以上に、自分の授業を見てもらう自信が自分にあるのだろうか・・・

晋(呼び捨てにできる立場ではないかもしれませんが)元気ですか?
山崎先生のサイトで、君の名前を見て、活躍してるね・・・と感動ひとしきりです。
いろいろとご活躍の様子、うらやましいです。
旭川、中学同期の宮嵜でした。

さとる、何言ってんの(笑)
うまくいってないから見せるんじゃん(笑)

そっか
安心した
じゃあ、今度観てくれ・・・なんてな。

しかし、晋もいろいろやってるね。体いくつ合っても足りなさそうですね。


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私の授業について

 12月19日にまる一日授業を見ていただいた石川晋さんが、Blog「すぽんじのこころ」に、その詳細を書いてくれてました。  素直にうれしいです。9時間、ずっといっしょでしたから。  ☆千歳北斗中の山崎正明さんの授業を終日見せていただく2011.12.19

山崎正明さんの授業参観の「メモ」 «  | BLOG TOP |  » 教師力BRUSH-UPセミナー2012冬in札幌 2012.1.7-8のご案内です

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Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
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