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2017-08

★学びのしかけプロジェクトメールマガジン176号 田中博司さん「「できる」という思いが、学習へのやる気を生み出す」 - 2011.12.09 Fri

私が編集するメールマガジンの最新号です。田中博司さんのご論考です。
→ こちらから無料購読できます。

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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
176号 2011年12月9日発行
(毎週火金日発行)
http://www.jugyo.jp/
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★目次★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.「できる」という思いが、学習へのやる気を生み出す
       「インクルージョン」編集委員
                東京都・公立小学校教諭 田中 博司
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 「教室での安心感」にこだわり続ける田中博司さんの久しぶりのご論考
です。              (石川 晋)
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1.「できる」という思いが、学習へのやる気を生み出す
       「インクルージョン」編集委員
                東京都・公立小学校教諭 田中 博司
------------------------------------------------------------------
 ここ数回、私はこの連載の中で、教室での安心感についてふれてきてい
ます。今回は89号で示した「わかる・できる」という安心感について、
ある学級の漢字テストの取り組みをもとに、考えてみたいと思います。
 http://archive.mag2.com/0000158144/20110510230217000.html

 以前、ある若い先生から漢字テストの結果について相談を受けました。
 Aくんがきちんとテストを受けないで困っているという話でした。Aく
んの答案には、明らかにふざけたなぐり書きの字が並んでいます。そのほ
とんどは当て字で、その当て字すら読めないような雑な文字です。

 その先生の話では、「Aくんは、いつも漢字練習をして来なくて、テス
トもほとんど書きません。最近はテスト中の態度もどんどん悪くなって
います。」とのことでした。

 テストの様子を聞いてみました。
 テストは、毎週、週末に行われています。漢字ドリルに出ている10題
の文を全て書くという形式です。
 そのクラスの子供たちのテストを全て見せてもらいました。
 ほとんどの子が、とてもきれいに全ての文を書いています。100点の
子が3分の1、90点以上の子も3分の1くらいいるようでした。残りの
子たちの多くも8割程度は書けています。でも、その中で、Aくんを含め
て4名ほど明らかに点数の低い子がいました。その先生に聞くと、この4
名は毎回ほとんどこのような結果だとのことでした。

 私は、漢字テストのやり方を選択させる方法を助言してみました。
 これまでのように10問全ての漢字を書いて答えるのを「ばっちりコー
ス」とし、一方で、1文の中に太字で示された新出漢字のみ書いて答える
のを「がっちりコース」として、どちらかのコースを選んでテストに臨む
方法です。
 例えば、「ばっちりコース」では、「池の周りを調べる」と一文を全て書
くところを、「がっちりコース」では、新出漢字にあたる「周り」だけを
書けばいいというものです。

 どちらのコースを選んでも、不合格だった場合には、間違った字をノー
トに練習し提出します。けれども80点以上を取ったときは、どちらのコ
ースを選んでいても、合格にします。

 2ヶ月後、相談のあった先生に、その後の漢字テストの様子を聞いてみ
ました。
 以前はテストを真面目に受けていなかったAくんが、「ばっちりコース」
で100点をとったとのことでした。選択制を取り入れた頃、Aくんは、
「がっちりコース」で書く新出漢字10語をきちんと練習してくるように
なったそうです。そしてそこで合格点を数回取ると、そのうちに、「ばっ
ちりコース」にも挑戦するようになりました。最初はちょっと苦戦してい
たものの、最後は、100点を取ることもできたとのことでした。

 Aくんが、漢字テストで合格点を取れるようになったのには、いくつか
理由があるのかもしれませんが、その一つが「できそう!」「できる!」
というAくんの思いだととらえています。

 「どうせだめだから」
 「やってもいい点数とれないし」
 こんな不安や不満をもっている子は、なかなか自分から練習に励むこと
ができません。ほとんど解答を書くことができない子供たちが、テストの
最中にできることといえば、あたりどころのない思いをテスト用紙にぶつ
けることだけなのかもしれません。

 けれども、漢字を覚える量を減らし、少し努力すれば到達できるところ
に合格点を設定したことで、Aくんは、
「やれば合格点が取れるかもしれない!」
「ぼくにだってできる!」
 そんな思いをもったのだろうと思います。
 この「できる」という思いがAくんのやる気を生み出したということで
す。

 授業では、どの子にも、この学習は「わかる・できる」という安心感を
もたせていきたいです。けれども、学習の習熟の具合も、認知の仕方も、
得意な学び方もそれぞれ違う子供たちが、共通の課題や目標の中で行われ
る一斉授業では、なかなか同じように「わかる・できる」と思うことはで
きません。目標設定や授業スタイル、また評価の方法にも多様性が必要に
なることだろうと思います。

 このクラスで、漢字テストで合格できていなかった4人のうち2人は、
「がっちりコース」を選択しても、まだ合格ができずにいます。
 相談に来た担任の先生とは、あとの2人も合格点がとれるようになる方
法をみつけていこうと話しています。

 昨年発行の本メールマガジン44号で、私は、漢字学習について実践を
紹介しました。マルチ知能と『学び合い』を取り入れた漢字学習の方法で
す。 http://archive.mag2.com/0000158144/20101026230000000.html
 その実践の様子が、国立特別支援教育総合研究所のメールマガジンで紹
介されています。次のサイトで見ることができますので、参考にしてくだ
さい。
 http://www.nise.go.jp/cms/6,5309,13,257.html

授業づくりネットワーク誌の最新号
→ http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html
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【編集後記】
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 シンプルですが、力強いご論考です。私は「わかる・できる」という安
心感の重要性を感じるとともに、学び方を学び手自身で選択できるという
ことの価値も再認識しました。
 学び方は学び手一人ひとりみんな違います。「あとの2人も合格点がと
れるようになる方法をみつけていこうと話しています」という田中さんの
在り方に共感しました。

 次号は、ワークショップチームから、山田将由さんです。どうぞお楽し
みに。
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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
第176号(読者数1790) 2011年12月9日発行
編集代表:上條晴夫(haruo.kamijo@gmail.com)
twitterはこちら⇒ http://twitter.com/#!/gbc02527
編集部ではチームに分かれてMLによって原稿検討を行っています。本メ
ールマガジンの記事を読んでいただいた率直なご意見・ご感想をいただけ
ると幸いです。本メールマガジンの内容に少しずつ反映をしていきたいと
考えています。
 編集長:石川晋
 副編集長:長瀬拓也・加藤恭子・藤原友和・佐内信之
登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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石川晋

Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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