topimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimagetopimage

2017-08

★学びのしかけプロジェクトメールマガジン170号 石川晋「すぽんじのこころ通信…秋から冬にかけて考えたこと」 - 2011.11.26 Sat

私の編集するメールマガジン。最新号は私の原稿です。
→ 無料購読はこちらから

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
170号 2011年11月25日発行
(毎週火金日発行)
http://www.jugyo.jp/
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
★目次★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.すぽんじのこころ通信…秋から冬にかけて考えたこと
          学びのしかけプロジェクトメールマガジン編集長
          北海道・上士幌町立上士幌中学校    石川 晋
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 北海道はもう秋が終わり、いよいよ雪の季節です。この秋から初冬にか
けて考えていたことなどを、あれこれ書きとめてみました。
                           (石川 晋)
------------------------------------------------------------------
1.すぽんじのこころ通信…秋から冬にかけて考えたこと
          学びのしかけプロジェクトメールマガジン編集長
          北海道・上士幌町立上士幌中学校    石川 晋
------------------------------------------------------------------
○「同僚性」について「つながり力」から考えた
 小学館の『総合教育技術』誌の記者の方の取材を受けました。12月号で
「つながり力」のある学校を特集したいということで、ぼくの前任校での
校内研修の内容に目がとまったようでした。記者さんの力量もさすがで、
前任校の現在の取り組みまで、丁寧に整理してくださいました。
 ところで、「つながり力」という言葉はあまり耳にしたことがない。そ
ういうこともあって、ぼくが前任校で同僚たちと一緒に学校を作っていっ
た過程での「つながり力」ってどんなものだったのだろうと取材後もずう
っと考えていました。
 http://www.amazon.co.jp/dp/B006071DLC/

 基調提案の中で筑波大学の浜田博文さんはこう述べています。

  子どもたちが個性豊かで多様なように、教員も一人ひとりがさまざま
 な能力や資質、経験、個性などをもっています。そのような多様な特徴
 をもった教員が「つながる」ことが組織力になるのです。

 つまり、職員室は、多様な考え方や価値観を持つ世代の違う人々が集ま
る場である。そこで横一線にスクラムを組み同一価値観を希求して学校づ
くりに向かうのではない。もっと緩やかな自律した教師同士がつながって
学校づくりを進めていく。これが、教員同士の「つながり力」なのだろう
と捉えました。

 私は前任校で、職員室の先生方の人間関係づくりに腐心しました。生徒
の荒れが厳しかった中で、学年の枠を超えて先生方同士で話し合う、今で
いうチームづくりにエネルギーを使ったということになります。詳しい内
容は、先ほど紹介した掲載誌に譲りますが、そこでやったことは、話し合
いの文化(習慣)を作るということでした。

 では、それは今はやりの「同僚性」を高めるということだったのかな。
そう考えてみると、どうも違う感じがします。そもそも今一人歩きしてい
る「同僚性」という言葉の内実は曖昧です。例えば中学校でよく言われる
「教職員一丸となって」とか「学年団は同一歩調で」とか言うことと同じ
ように受け取られているきらいがあるように感じます。でも、前任校では
ぼくの学年も学校も本当に「つながり力」のあるよいチームになっていた
と思いますが、それはみんなで指導の方針を揃えたり、意見を一致させた
りして取り組むということとは違っていました。
 「同僚性」を高めるというのは、「同一性」とか「一体性」とかを増す
ということとは本来違って、違うことを前提として話し合えるチームづく
りということなのだろうと考えたわけです。
 「つながり力」という言葉自体は、ぼくの中では、未だ曖昧模糊とした
言葉です。ですが、様々な年齢の教師達が様々な立場や考えを持って、と
もに学校づくりをする力ということなのだとしたら、今最も重要な力の一
つに違いないと考えたのでした。

○「チームになってきた気がする」・・・協同学習型研修
 つい先日、来年北海道十勝で開催される予定の全道国語教育研究大会の
領域会議に参加してきました。指導案検討を、協同的に運営してもらえな
いかという依頼でした。
 使った手法は、協同学習の手法。ライト=ペア=スウィッチ=シェアで
す。
 最初に個人で指導案について読んで考えを書きます。
 ついで、ペアになり、それぞれの考えや気付きを話し合います。
 その後ペアをスウィッチ(変える)します。
 これを2度繰り返します。
 その後もとのペアに戻って、意見や感想や質問として特に表明しておき
たいポイントをまとめます。
 最後に、ペアの若い方の先生に、授業予定者に意見や感想や質問を出し、
授業予定者が応答するという流れでした。

 実施にあたって強調したのは、ここに集まってみんなで話をすることは、
これから来年の大会に向けて、協力してよりよいものを作っていくために
極めて大切だということ。指導案をよりよくするために全員で意見を出し
合ってほしいということ。そして、ペアでの話し合いの中身を、ペアが変
わった時は、次の相手に必ずしっかり伝えるということでした。
 つまり、価値のインストラクションから、意図のインストラクション、
そして、方法のインストラクションまでを丁寧に行いました。
 集まった先生方は約10人。年齢も経験も立場も違います。

 終わった後、「部会がチームになってきた気がします」というメールを
担当者からいただきました。
 チームづくりはまだまだ半ばでしょうが、話し合いながら進むというこ
とこそ大切なんだとやはり思うのです。また、大人も子どもも、基本的に
はチームづくりの考え方や方法は変わらないと思うのです。
 

○「牛乳やっぱりもらいます」

 体育の時間、Aくんが切れそうになって、一人で教室に戻ったと、体育
の先生から聞きました。
 バドミントンの試合で負け続けて、とうとう気持ちを抑えられなくなっ
たようだ、とのこと。以前なら、これでもう体育の授業も、今日一日もお
じゃんです。周りの子にも迷惑をかけたのかなと思いましたが、給食準備
に行くと、周りの子は全く関係ない様子で、いつも通り準備をしました。
 ぼくは教室をパーテーションで大部屋一つと小部屋二つに三分割してい
ます。Aくんは,その一番奥の通称「しあわせのへや」にいます。

 試合で最後に戦って、AくんをうちまかしたBくんが、いただきますの
前に、そうっと「しあわせのへや」へ行き、ちょっとだけ声をかけました。
いつもは積極的に声をかけるCさんは、今日は何もせず静かに食卓につき
ました。他の生徒もそう。つまりみんな気が付いているけれど、彼のクー
ルダウンを待っているのだとわかりました。
 給食時間に復帰できるかなと思ったのですが、今日の彼は明らかにばつ
が悪そうでした。それがよいのか悪いのかわからないけれど、周りの人が
どう見ているのかなということを推察したり推測したりできるようになっ
た。長い時間をかけて、彼はここまで成長してきたのだなと感じました。
 給食終了後、へやから出てきた彼に、牛乳3つあるよ、と声をかけまし
た。
 Aくんは「いや、いいです」と言ったのですが、2分くらいしてやって
きました。
 「先生、牛乳やっぱりもらいます」

 それで思い出したのは、以前特別支援教育コーディネーターをしていた
時のことでした。新入生に、切れてしまうと側にあるものを投げつけたり
して大暴れする生徒が一名いました。
 Dくんとしておきます。
 Dくんは、校区内の小さな小学校出身です。入学までに、その子には保
護者とともに、体験入学以外に3回、好きな時に中学校に来てもらいまし
た。不安解消のためにはとても有効です。その過程で保護者とも親しくな
りましたので、その生徒について、入学後、教室で切れた時の状況などを
ぜひ説明させてほしいと話し、了承を得ました。担任は、新卒の先生です。

 さて、その子は順調で、4月5月を乗り切りました。しかし、6月の末、
ついに初めて突然授業中に切れて大暴れしました(もちろん切れた彼なり
の理由はあるのですが、それはほとんど周囲には、それと理解されません
でした)。その結果、女子生徒の何人かは、過呼吸になって保健室に運び
込まれる状況になりました。以後、Dくんへの恐怖の感情は、女子生徒た
ちから拭い去られることはありませんでした。クラス運営に重い影を落と
してしまったように私には見えました。
 最初に切れた日の放課後、新卒の担任の先生と話しました。
 ぼく「先生、教室で説明していなかったでしょう」
 新卒の先生「すみません、言えませんでした。なんだかいいにくかった
んです。」

 先に紹介したAくんが、自分の感情と向き合えるようになってきた最大
の要因は、彼自身が、自分のイライラや暴れてしまった状況を、言語化で
きるようになったことだと感じていました。
 彼自身が「おれ、イライラを抑えられなくなったりするんだ」とか、「
おれ、切れてみんなに迷惑かけるとがっかりするんだ」とか、そういうこ
とを、クラスで話せるようになる。そして、クラスの仲間たちもそれを本
人のいる場面でも普通に話題にできるようになる。ここが劇的な変化の境
目だと感じています。

 Dくんの場合はどうだったのでしょう。一律の指導は難しく、もしもを
論じることはなお難しい。でも、もし、あの時新卒の先生がクラスのみん
なに事前に話ができていたなら、以降の状況はずいぶんと違ったものにな
ったのでは、とぼくには今でも、そう思えるのです。

 教室はハプニングやトラブルがたくさん起こる場所です。
 そのハプニングやトラブルを、オープンにできるかということが、最終
的に一人ひとりの生徒の居心地のよさや安心感へとつながっていくポイン
トなのではないか、そう考えます。

授業づくりネットワーク誌の最新号
→ http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html
------------------------------------------------------------------
【編集後記】
------------------------------------------------------------------
 21日から関東方面に出かけ3名の方に立て続けにお会いしました。琴
寄政人さんと話した教育論。岩瀬直樹さんの教室を参観し語り合ったこと。
絹川友梨さんのコーチングにフォーカスした「インプロワークショップ」。
今回はそのことを書こうかなもと思ったのですが…そちらは自分のブログ
に書きこんでいこうと思います。今回あれこれと書いたこととも、ぼくの
中では全部地つづきなのです。
 私のブログアドレスです。 http://suponjinokokoro.blog112.fc2.com/

 前号から今号まで一挙に10名の読者が増えました。どうぞ、みなさん、
ご感想などもぜいお寄せ下さい。

 「学びのしかけ」プロジェクト主催の集会を、北海道夕張で開催するこ
とになりました。明日11月26日です。
 本メールマガジンの執筆者である、山崎正明さんや、私の学級の様子も
ご覧いただけます。新しい街づくりを目指す夕張から、新しい教育の在り
方を考えてみませんか? 内容の詳細は下記からです。webからの申し込
みは終了していますが、当日参加もOKです。
 http://kokucheese.com/event/index/19564/

 次号は、インクルージョンチームから、湯藤瑞代さんの登場です。どう
ぞお楽しみに。
==================================================================
メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
第170号(読者数1782) 2011年11月25日発行
編集代表:上條晴夫(haruo.kamijo@gmail.com)
twitterはこちら⇒ http://twitter.com/#!/gbc02527
編集部ではチームに分かれてMLによって原稿検討を行っています。本メ
ールマガジンの記事を読んでいただいた率直なご意見・ご感想をいただけ
ると幸いです。本メールマガジンの内容に少しずつ反映をしていきたいと
考えています。
 編集長:石川晋
 副編集長:長瀬拓也・加藤恭子・藤原友和・佐内信之
登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000158144.html
==================================================================
スポンサーサイト

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://suponjinokokoro.blog112.fc2.com/tb.php/1073-16c5e3b1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

教師もまた同じなのである «  | BLOG TOP |  » 日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)☆第2979号☆「読み聞かせる教室づくり」(17)石川晋(北海道)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

FC2カウンター

最新記事

プロフィール

石川晋

Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

月別アーカイブ

最新コメント

カテゴリ

未分類 (50)
教育 (2156)
音楽 (259)
雑記 (341)
映画 (13)
読書 (31)
美術 (12)
研究会等 (10)
自然保護 (9)
CD&DVD (0)
育児 (30)
自然 (82)
対話 (7)
思考 (36)
演劇 (4)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QRコード