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2017-11

教師教育メールマガジン40号豊福晋平さんです! - 2017.11.08 Wed

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メールマガジン「教師教育を考える会」40号
           2017年11月7日発行
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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間違いだらけの授業ICT活用法
  国際大学 グローバル・コミュニケーション・センター 准教授
   (Associate professor)・主幹研究員、IUJ Associate professor
                            豊福 晋平
http://www.mag2.com/m/0000158144.html
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 40号は、豊福晋平さん(国際大学 グローバル・コミュニケーション・
センター 准教授 (Associate professor)・主幹研究員、IUJ Associate
professor)です。きわめて早くからコンピュータの教育利用にフォーカ
スし、多彩な発言を続けてこられた方です。        (石川 晋)
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 私の研究領域は教育情報化ですが、日本から海外学校の情報化の視察に
行くと、現地の先生方にいつも不思議がられることがあります。それは「
日本は技術大国で教育も世界トップなのに、なぜ我々のような学校を見に
来るのだ?何か役に立つのか?」ということ。「いえいえ、日本はあなた
たちよりもずっと遅れているのです」と毎回説明するのは骨が折れます。
意外な事かもしれませんが、例えば、学校へのコンピュータ整備状況ひと
つみても、過去から現在まで一度も、日本は米国や英国の水準に追いつい
た事がありません。かのOECDのPISA2015(ICT活用度調査)でも、日本の
レベルは国際的にはほぼ最下位に甘んじているのです。ご存じでしたか?

 実は、私達学校関係者の周囲に生じているのは、一般日常生活と学校生
活との著しいICT環境ギャップです。子ども達の情報機器普及は顕著です。
2016年内閣府調査では小学生84.2%中学生91.9%高校生98.2%が何らかの情
報機器を利用しています。特に、高校生のスマホ普及率は高く94.8%に達
します。
 しかし、文部科学省は2009年の通知で「学校における教育活動に直接必
要のない物」とみなし、学校への携帯電話の持ち込み・使用を原則禁止し
ているので、学校では日常的な連絡にLINEも使えないし、授業中に分から
ない単語をウェブで検索するなんてことも出来ません。学校は毎日大量の
印刷物を家に持ち帰らせますが、多くの保護者は、せめてPDFで学校サイ
トに置いてくれれば職場からでも確認出来るのに、と思っています。
 児童生徒や保護者は情報機器も持っていれば、一通り操作するスキルも
あるのに、学校の環境があまりに特殊過ぎて使う機会がない、というのは
ひどくもったいない話です。そればかりか、児童生徒の高いICTスキルが
学習の文脈と強制的に切り離されることで、学校が積極的にキャリアチャ
ンスを奪っている可能性さえあります。

 さて、教育情報化には政策と莫大な予算が絡むので、簡単に解決策が見
いだせないのは言うまでもありませんが、20年以上日本の学校の情報化が
進まない理由の一つは、間違いなくICTの使い方・使わせ方にあると考え
ています。指摘点はいくつもあるのですが、今回はもっとも特徴的な学習
者端末(タブレットなど)の活用について記そうと思います。

日本の常識的なICT指導法を疑う

 日本の公開授業で学習者端末活用を拝見すると、教師側の負担が高く、
機器トラブルで授業を中断するリスクが高いことに気付きます。授業中の
先生はいつもパタパタと忙しそうです。特に学習者端末に不具合が複数起
きれば、もうシナリオ通り時間通りに授業は進みません。
 リスクを避けるために、不要な時間は端末をロックダウン、短時間・単
純反応操作しか与えない、といった対応が一見合理的ですが、これでは「
授業中にICTを使わない」が最善策になってしまいます。利用場面が短時
間で限定的になれば、児童生徒の操作スキルも保証出来ないし学習効果も
向上しません。つまり、巷の授業研究でよく紹介されるICT指導法の多く
は最初から矛盾含みなのです。統制(指導力)を強化するほど、授業リス
クが増え効果を奪ってしまうのですから。

北風と太陽

 教師負担と授業中断リスクを低減する方法とは寓話「北風と太陽」のよ
うな話です。
 例えば、北欧の学校での学習者端末活用シーンでは、小学校低学年で
あっても学習者側作業に授業時間の多くが割かれていること、課題は構成
的なレポートワーク中心であること、個別・ペア・グループ作業をそれぞ
れ静かにこなすこと、(授業用の特殊仕様でない)一般的なアプリやサー
ビスが使われていること、が普通です。児童生徒のICTスキルが高いので、
教室内で使われている端末がバラバラでも全く気にしませんし、授業途中
の課題をクラウドに預けて、続きを家庭でこなすことも当たり前です。
 日本の一斉授業のような分かりやすいストーリーもなく、教師も教壇上
でパフォーマンスをしないので、けっして見栄えのする授業ではないので
すが、子ども達は騒ぐでもなく真面目に課題に取り組んでいるのを見れ
ば、そうした教室のルールが浸透している事を感じさせます。つまり、学
習者中心の展開で教師側の統制を解くことが、学習者端末活用のスタイル
として定着しているわけです。

一斉授業×教具から学習者中心×文具への転換

 最初から単元内容と授業方法が決まっているのに、ICTごときにやり方
を指図されてはたまらない。だから「ICTなど所詮道具に過ぎぬ」とよく
批判を受けます。しかし、授業のスタイルにこだわるのは教師側の都合で
あって、児童生徒にとってそれが最善かどうかは別の話です。
 一斉授業はICTを教具化するので、特定授業場面でしか使えない統制と
強制の手段にしてしまいます。教師のための付加機能は子どもだけでなく
教師の使い方も規制します。子どもは自ら持つICTの能力を活かす事な
く、やがて単純なタスクに失望してしまうでしょう。
 学習者端末は学習者中心に展開してこそ真価を発揮します。要は教師主
導の教具的発想をやめて、学習者に寄り添う文具として見立てることで
す。学習者の文具視点から学校の情報環境を見直せば、現状の仕様がどれ
ほど教具的ゴリアテと化しているか、再認識されることと思います。

おまけの宣伝

 Facebookの公開グループ「ICT教具論からの脱却」では、ICTの学習者中
心文具的な展開を模索しています。ご関心のある方はぜひメンバーに加
わっていただきたいです。詳しくはこちらへどうぞ。
https://www.facebook.com/groups/1059176697441865/

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 豊福さんの文章を読んでいると、ICTの話題を切り口としながら、実は
日本の一般的な教室で行われている授業の見事な弱点分析になっていると
感じます。
 豊福さんが教育情報化に関わり始めたのが1992年ということですから、
既に四半世紀。もっと迅速に変わらなければならなかった学校現場(授
業)ですが、本当にもう変わらないといけない瀬戸際に来ていると、痛感
します。そのためには、やはり私たち教員のマインドが変わらなければな
らないようです…。
 「機器トラブルで授業中断」「シナリオ変更」などなど、痛烈な批判で
もあるのですが、情景が目に浮かび思わず苦笑してしまいました。

 次号は、11月10日金曜日。岩田将英さん(柏市教育委員会学校教育
部指導課指導主事)です。教師教育を考える上で絶対はずせない立場・要
素の一つが指導主事の役割なのですが、実は、主事の方に職責を明示して
お書きいただくことがなかなか難しい事情があります。岩田さんは関係の
みなさんにもご協議くださってご快諾いただきました。みなさん、どうぞ
お楽しみに。
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メールマガジン「教師教育を考える会」
40号(読者数2516)2017年11月7日発行
編集長:石川晋(zvn06113@nifty.com)
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(まぐまぐ:教師教育を考える会)
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石川晋

Author:石川晋
北海道の中学校教師を退職しました。
都内に潜伏して、ゆっくりのんびりしなやかに、教育、芸術、自然の話をしながら、これからの自分のことを考えつつ、新しい状況に対応する「学びのしかけ」のことを考えて行きます。facebookアカウントは、
https://www.facebook.com/profile.php?id=100000528475920
ぼくにできそうなことは、どんどんお受けしますので、遠慮なくお知らせください。FBのメッセンジャーが一番確実です!

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